2023年11月15日から17日までパシフィコ横浜にて開催している事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展「EdgeTech+ 2023」で、ヌヴォトン テクノロジージャパンは自社の半導体技術を活用したさまざまなトータルソリューションを展示している。

中でも注目が集まっていたのが、車の安全性や快適性向上に向けた車載機器ソリューションの展示。同社のHMI表示LSI「Gerda」を活用することにより、高速起動と高画質なグラフィックを可能とし、快適な車載アプリケーションが実現できるとしている。

  • ヌヴォトンによる車載機器のトータルソリューションの展示

    ヌヴォトンによる車載機器のトータルソリューションの展示

中でも特徴的なソリューションとして、「電子リアミラー」と「電子サイドミラー」が展示されていた。これらは、車のミラー部分に付けられたカメラを通して外の様子をみることで、暗い夜道や悪天候で周りがみえにくいシーンであっても、電子的に補正することで周辺状況を視認しやすくするという機能がついているほか、車両周辺でのさまざまな異常を検知し警告を表示してドライバーなどに知らせくれる検知機能も搭載しているという。

さらに、切り出しやゆがみ補正、アスフェリカル(非球面レンズ) 処理による法規対応と広角表示機能の搭載による視野の拡大に加えて、低遅延映像処理機能も組み込まれているため、映像入力から映像出力まで遅延1フレーム以内におさめることを可能としたとする。

  • HMI表示LSI「Gerda」の説明

    ヌヴォトンのHMI表示LSI「Gerda」の説明

これら以外にも、「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」も展示されていたが、こちらは遅延映像処理やゆがみ補正などに加えて、例えば雪や霧などにより視界が真っ白で危険な状況やハイビームなどのライトによる眩しさで前がみえにくい状況といった異常を検知し、安全状態へ遷移する異常監視機構も組み込んであるという。

さらに、「4wクラスメーター」や「2wクラスメーター」なども展示されていた。現実世界にバーチャル情報が重ね合わさる拡張現実(AR)の仕組みを活用すれば、将来的にスマートフォンなどでナビゲーションをみなくても運転者の前に目的地まで矢印などが表示されているようにみえることなども実現できるようになるだろうと担当者は語っていた。

  • ARの活用で運転者はナビを目視で確認しなくてもよくなる時代が到来する

    ARの活用で運転者はナビを確認しなくても、前方に映し出される指示を見るだけで目的地まで誘導してくれるデモンストレーション用のパネル。こちらもゆがみ補正機能がついている

また、空調システム(HVAC)やそのほかの操作はボタンではなく操作パネルですべて行えるようになる未来の到来が期待されているが、その一方で、今まではボタンを押す感覚で、押したか押してないかの判断をしていたものが、その感覚がなくなると不便に感じる人もでてくることが考えられるとしており、そうした課題点の克服を今後考えていきたいとしている。

現在、世界的に電気自動車(EV)の普及が進んでいるが、同社の展示していた各種のソリューションは電気で駆動するため大容量のバッテリーを積んだそうしたEVとは相性がよく、今後日本でも普及が進むことが期待されることから、今後も性能を向上させていきたいと担当者は語っていた。