TSMCが茨城県つくば市に設置した先端半導体後工程の試作ライン(TSMCジャパン3DIC研究開発センター)に続き、Samsung Electronicsも3DIC対応の後工程試作ラインの日本への設置検討が海外メディア中心に報じられていたが、Intelも日本に3DIC対応の後工程の研究(あるいは試作)ラインを設置する方向で検討している模様である。
日本の半導体サプライチェーン関係者からの情報によると、すでに後工程装置や搬送装置関連企業に協力要請の打診があったという。
ただし、SamsungもIntelも検討の初期的な段階であり、サプライチェーン各社の協力が得られなければ、必ずしも実施するとは限らないという。TSMCの場合と同様、日本には後工程の有力装置・素材メーカーが多数存在しており、プロセスや素材の共同開発に有利である点、ならびに経済産業省(経産省)から多額の補助金が支給される可能性がある点などが日本進出に対するモチベーションになっている模様である。
IntelのPat Gelsinger CEOは、ほぼ1年前の2022年4月に極秘来日し、経産省の高官などと会談をした過去もある。
もし、TSMC、Samsung、Intelといった世界の最先端プロセスを提供する半導体メーカー3社がそろって日本に先端後工程試作ラインを設置するようなことになれば、将来的な量産ラインへの発展も期待できることから、有力な半導体製造装置・材料メーカーを多数抱える日本という地域が半導体の後工程で存在感を発揮できる存在となる可能性がでてきたと言える。