東京商工リサーチは2月16日、全国の企業を対象に実施した「人手不足」に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は、2月1日~8日、インターネットで実施し、有効回答4,852社を集計・分析したもの。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
調査の結果、企業の7割超(構成比72.4%)が「人手不足」と回答、大企業の人手不足は中小企業を上回る8割(同80.6%)に達することが明らかになった。
業種別では、新型コロナ感染者の診療など異例の対応が続く「医療業」が95.6%でトップだった。「飲食店」(93.1%)、「職業紹介・労働者派遣業」(90.3%)も9割を超えた。この他、「総合工事業」(84.5%)、道路貨物運送業(82.8%)、社会保険・社会福祉・介護事業(80.7%)など、13業種で8割を超えた。
行動制限の緩和に伴う経済活動の回復に加え、人手不足が深刻な業種は対面型サービス業のほか、“リモートワークが困難”など、コロナ禍で定着した働き方に移行しにくい業種が多くなっている。
一方、「人手過剰」の業種は、「印刷・同関連業」が23.1%で最も多かった。これに、「運輸に附帯するサービス業」(12.1%)、「家具・装備品製造業」(10.0%)、「繊維工業」(9.6%)、「広告業」(8.6%)など、構造的に不振が続く業種やコロナ禍で需要が落ち込んだ業種が中心となっている。