
メディア・IT・金融の融合
2026年6月26日、フジ・メディア・ホールディングス(FMH、清水賢治社長)とSBIホールディングス(北尾吉孝会長兼社長)が資本業務提携に向けた協議・検討を開始したと発表した。
SBIは今、「ネオメディア戦略」を掲げ、エンターテインメント、メディア領域の企業との連携を進め、金融、ITとの融合で新たな生態系を構築しようとしている。そのSBIが持つ強みと、FMHが持つ番組などのコンテンツを組み合わせるというのが1つの方向性。SBIが出資するメディア企業と、FMHがコンテンツを共同制作することも視野に入る。
SBIは、ネオメディア構想実現に向け、25年5月に「SBIネオメディアホールディングス」を設立。北尾氏は本誌の取材の中で「この会社を中心にメディア・IT・金融の融合によって、日本の一大産業にどう作り上げていくかということを考えている」と話していた。
米マディソン・スクエア・ガーデン社が展開する球体型複合アリーナ施設『スフィア』を、東京・お台場に誘致する構想を明らかにするなど、これまで金融を中心に事業展開してきたSBIグループのイメージを変える、エンターテインメント要素の強い事業も展開していく考え。
北尾氏とFMHの関係では、05年に堀江貴文氏率いるライブドアによるニッポン放送買収問題の際、「ホワイトナイト」として登場した過去がある。それが25年には「物言う株主」として知られる米ダルトン・インベストメンツが推した取締役候補に北尾氏が名を連ねるなど、一時は緊張関係にあった。
だが、FMHがファンドからの圧力もあり、不動産事業の売却を決めた中、改めて本業であるメディア事業の再構築、収益力向上が急務となっている。その中で改めて、北尾氏が掲げる「ネオメディア構想」に注目したものと見られる。
日本ではテレビ朝日ホールディングスがサイバーエージェントと組んで「Abema」を展開している他、米国でも投資銀行やファンドがメディア事業に乗り出すなど、メディアのあり方が変わりつつある。その中でFMHとSBIが新たなメディア像をどう描くかが問われる。