住友林業は2月10日、木材・建材メーカー向けに環境認証ラベルEPD取得推進事業と、デベロッパー・ゼネコン・設計事務所向けに「One Click LCA(建物のライフサイクルにわたるCO2排出量などを見える化するソフトウェア)」算定受託事業を開始することを発表した。同事業を通じて建設業界全体の脱炭素設計をサポートしていく。

RPDはEnvironmental Product Declarationの略で、資源採取から廃棄までの、製品の全ライフサイクルにわたるCO2排出量を見える化したISO準拠の環境認証ラベルのこと。「EPD取得推進事業」は木材・建材メーカー向けに行われるもので、同社は2023年2月よりOne Click LCA社が提供する「EPDジェネレータ―」日本版を発売開始した。

同ソフトに設定してある項目に必要情報を入力することで、ISO21930に準拠した環境認証ラベルEPDの取得申請手続きをソフトウェア上で完了することが可能。同ソフトを利用することで、EPDを取得する際に必要な投入する資材や製造に関わるエネルギーなどのデータを集計において、作業の省力化と取得にかかるコストを低減できるという。

  • EPDジェネレータによるEPD取得フロー

また、「One Click LCA」算定受託事業では、同社がソフトウェア「One Click LCA」を使用し、個別のプロジェクトに対するCO2排出量を算定する。建物の資材データを基に、建物全体・資材別・部位別・ライフサイクルごとなど、建てるときのCO2排出量を算定しレポートを作成・提出する。これにより、ソフトウェアを購入せずにプロジェクト単位で算定を希望する人を含めたあらゆる事業者の「建てるときのCO2排出量(エンボディード・カーボン)」の見える化・削減をサポートする。