PTCは11月17日(米国時間)、Salesforceプラットフォーム上に構築された、幅広いフィールドサービス管理(FSM)機能を有するクラウドネイティブソリューションを手掛けるServiceMaxをSilver Lakeが過半数を保有する事業体より、デッドフリー・キャッシュフリーに基づいた約14億6000万ドルで買収することについて、確定合意に至ったことを発表した。

PTCとServiceMaxは2015年以来のパートナーで、ともに医療機器、工業製品、航空宇宙、および関連業界向けの複雑かつ高度な部品構成を有する製品のメーカー各社をサポートしてきた経緯がある。

今回の買収によりPTCは、製品情報のデジタルスレッドを下流の企業資産管理(EAM)およびFSMにまで拡張することが可能となり、自社のクローズドループ製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションが強化されるとしている。

具体的には、ServiceMaxには、サービス対象製品の製品情報、シリアル番号、サービス履歴等すべての関連情報の管理をはじめ、作業指示の作成と管理、技術者のスケジュール確保や派遣に関する機能が含まれているほか、FSM機能群は、Salesforceの顧客関係管理(CRM)システムと統合されており、製品を詳細に把握し、顧客を深く理解することにもつながることから、今回の買収が完了すれば、PTCは、CAD・PLMソリューションによる完全なデジタル製品定義データを、IoTソリューションによる使用状況の詳細情報とServiceMaxによる完全なサービス履歴として補完することで、他社にはないソリューションが提供できるようになると説明している。

  • ServiceMaxの買収

    ServiceMaxの買収によりPTCのCADやPLMソリューションのデータと、現場での使用状況などの詳細なデータやサービス履歴が連携することが容易となる

また、ServiceMaxのFSM機能群は、PTCのCreoやWindchillソリューションの製品データ、Arbortextの技術情報発行機能、Servigisticsのサービスパーツ管理機能、ThingWorxソリューションのIoTおよびデジタルツインの機能、Vuforiaの拡張現実(AR)機能を活用することにより、PTCのデジタルスレッドソリューション群全体を補完することになることから、それにより顧客は、ThingWorxを介して接続された製品を遠隔監視しServiceMaxでサービスオーダーを自動生成することが可能になったり、サービス技術者は、Arbortextが生成する2Dの作業指示書や、Creoで作成された後、Windchillで管理されている製品データをベースに、Vuforiaで生成したAR技術による3Dの作業指示書の活用を行ったり、Servigisticsを利用したスペアパーツの在庫の最適化に向けて、サービス作業をより詳細に把握できるようになったりするともしている。

なお、今回の買収は、2段階に分けて買収費用が支払われる仕組みで、買収完了時に8億800万ドル、2023年10月に6億5000万ドルが支払われる予定。買収資金は、手元現預金、PTCがすでに保有する信用枠内での借入金、および新たに設定する5億ドルのコミット型タームローンで調達する予定。買収の完了は、規制当局の承認およびその他の諸条件が満たされた後、2023年1月上旬となる見通しだという。