日本企業8社が協力して、次世代半導体(2nmプロセス以下)の製造技術を開発し、2020年代後半における量産に備えるための新会社「Rapidus株式会社(ラピダス。ラテン語で速さを意味する)」を8月に法人として設立されていたことが明らかとなった。出資8社は、トヨタ自動車、NTT、ソニーグループ、キオクシアホールディングス、NEC、ソフトバンク、デンソー、三菱UFJ銀行となっているが、今後さらに出資企業は増える見込みである。

Rapidusは、経済産業省(経産省)ならびに新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が9~10月にかけて募集していた先端半導体の開発委託事業に応募していたが、11月8日に採択され、700億円の補助金支給が決まった模様である。

また、この先端ロジック半導体(2nm以下)プロセス開発を陣頭指揮するのは、ウエスタンデジタルジャパンの代表取締役社長を9月に退任された小池淳義氏という噂が出ている。

一方、すでに7月30日に経済産業省が発表していた東京大学(東大)をはじめとする国立大学、ならびに産業総合研究所(産総研)をはじめとする4つの国立研究所を中心とした次世代半導体技術開発拠点「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)」が年内にも発足する予定となっている。米国が設立準備を進めている「国立半導体研究センター(NSTC)」のいわば日本版の位置付けで、両者は技術提携を行い、協業という形で開発を進める模様である。こちらは、経産省の半導体・デジタル産業戦略検討会議の座長であり、産総研、物質・材料研究機構(NIMS)、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、東大および東北大学が協力して運営するオープンイノベーション拠点「TIA」の運営最高会議 議長の東哲郎氏(元東京エレクトロン社長)が理事長に就任し、2nm以降の半導体プロセス技術の開発を目指す模様である。

なお、9月9日には東氏と小池氏は経産省の野原諭 商務情報政策局局長立ち合いのもと、岸田首相と官邸で面談をしていたことが首相動静に記載されている。