イー・ラーニング研究所は6月13日、子どもがいる親を対象にした「2022年:テストのオンライン化・CBTならびに親のITリテラシーに関する調査」の結果を発表した。これによると、CBT(Computer Based Testing)の認知度は低いものの、導入への期待は高いことが分かった。

  • 学校テストのオンライン化への賛否 資料:イー・ラーニング研究所

同調査は同社が5月4日~5月28日に、子どもがいる全国の20~50代の男女428人を対象として実施したもの。

学校でのテストのオンライン化への賛否を尋ねると、89%の回答者が賛成と答えた。賛成理由の最多は「どこでもテストを受けられるから」(300人)であり、コロナ禍で移動にかかる時間の有効活用に重きを置く人が増えたと同社は考えている。

また、「テストのフィードバックがすぐ受けられるから」(231人) 、「テストの成績が可視化されるから」(176人)も多く、オンライン化による学習の定着強化に期待が高まっているという。

反対の理由は「カンニングなどの不正行為の可能性があるから」(31人) 、「インターネット環境の差が出るから」(28人)が多く、人目がない環境での子どもの学習姿勢や通信環境に関する懸念があると同社は見ている。

  • CBTの認知度 資料:イー・ラーニング研究所

CBTという言葉を知っているか聞いたところ、「言葉の意味を理解している」との回答は10%に過ぎず、テストのオンライン化への関心度は高いもののCBTはいまだ浸透していないのが実状だ。

その一方で、子どもに英語や漢字などの検定をCBT形式で受けさせたいかとの質問には、86%が受けさせたいと回答している。CBTという言葉の認知は低いものの、オンラインでの受検には積極的に導入を希望している姿勢がうかがえる。

  • 教育のICT化への不安感 資料:イー・ラーニング研究所

教育のICT化が進むことへの不安感を尋ねると、「あまり不安ではない」と「不安はない」が合計で約7割となり、多くの親世代が教育のICT化に期待を寄せているようだ。自分自身のITリテラシーは高い方だと思うかを聞いたところ、「低い」と「やや低い」(104)が計65%を占めている。加えて、保護者を対象にしたITリテラシーを高める取り組みは必要だと思うかとの質問には、「必要」と「やや必要」が計94%に上った。

「どういったITリテラシーを高める取り組みに参加したいと思いますか」と聞くと、約3割が「PCなどデバイススキルの向上」と回答しているが、どの項目にも一定以上のニーズがあり、IT全般に関心が高いと同社は見ている。

同社は、子どもの教育をサポートするためにも、IT機材やシステムについて親世代のITリテラシーの向上が求められていると分析している。