大宝タクシーは5月19日、電動垂直離着陸機(eVTOL)を活用した「空飛ぶタクシー」事業に参入することを発表した。同事業に向け、新会社「そらとぶタクシー」を設立し、2025年の運用開始を目指す。タクシー会社が同事業に参入するのは日本初とのこと。

  • 空飛ぶタクシーのイメージ

    空飛ぶタクシーのイメージ

同社は大正15年に創業し、170人の乗務員を抱える大阪最古のタクシー会社。2025年に大阪・夢洲(ゆめしま)で開催される大阪・関西万博では鉄道や車による交通の混雑が懸念されており、混雑緩和の一つの解決策として「空飛ぶタクシー」事業を始める。

eVTOLは、電動モーターで翼を回転させ、垂直離着陸できる大型のドローンのような航空機。パイロットが搭乗せず自動操縦で飛行し、動力は電気のため環境負荷も少なく、10分充電すると50分連続飛行が可能だ。同社は現在、導入予定の機体の飛行実証実験を進めている。

運航は、大阪市内の梅田や難波と夢洲を結ぶピストン飛行と関西国際空港や神戸空港から夢洲へ遊覧しながら飛行する2つのルートを想定。料金体系は、タクシーと同様に初乗り680円、以降10秒ごとに250円を加算する方式を採用する予定。

ピストン飛行の場合、所要時間は10~15分と想定され、1人あたり1万5000円~2万2500円(車だと30分で6000円程度)かかる。西国際空港・神戸空港から夢洲までだと約40分で1人あたり約6万円だ。

同社は今後、2023年までに導入機体の選定、共同事業者・出資者の募集、パイロット訓練、運航ルートの設定を行い、2024年までに国や大阪府・市との協議、機体の導入と運航テストを進め、2025年に運用を開始する予定。