先端プロセスに注力するファウンドリビジネス
ファウンドリビジネスは、すべてのアプリケーションからの堅調な需要と先端プロセスの歩留まりの向上のおかげで、過去最高の売上高を達成したとする。
現在は、研究開発センターとファウンドリの緊密な協力により、生産能力の継続的な向上と先端プロセスの歩留まりを軌道に乗せることに注力しているとしている。さらに、将来の成長に向け、米テキサス州テイラー市などへの新規投資を進めているとする。第2四半期も引き続き先端プロセスの歩留まり向上を進めるとともに、第1世代GAAプロセスの品質検証と量産化を図っていくとするほか、計画されたスケジュールに沿って、3nm 第2世代GAAプロセスの開発も継続していくという。
液晶から有機ELへの切り替えが進み、売り上げが伸びたディスプレイ事業
ディスプレイ部門(Samsung Display)の2022年第1四半期売上高は同15%増の7兆9700億ウォン、営業利益は同3倍の1兆900億ウォンであったという。AppleのiPhoneはじめ主要なスマートフォン顧客向けパネルのほか、ゲーム用ディスプレイや車載ディスプレイでの液晶から有機ELへの切り替えが進んだことで売り上げが伸びたとする。
また、2020年に事業撤退を決めたものの需要の増加で工場の稼働を延長していた液晶パネル事業については、2022年6月までに撤退する方針を示した。大型ディスプレイでは、量子ドット(QD)ディスプレイの生産歩留まりの改善が予想を上回ったとしている。
第2四半期については、一部の地域での長期にわたる地政学的紛争と封鎖により、モバイルディスプレイの収益が前四半期比で減少すると予想している。また、大型ディスプレイの収益は、QD製品の出荷を本格的に拡大することにより、増加する可能性があると見ている。さらに、下半期については、事業環境の不透明感は長引くものの、先進国の景気回復に伴い、スマートフォンの市場規模は昨年並みに推移すると見込んでいる。