NTTビジネスソリューションズ、西日本電信電話(NTT西日本)、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト、メディアリンクス、朋栄の5社は4月20日、放送局および番組制作会社向けの「遠隔編集サービス」提供に向けた共創プロジェクトを発足したことを発表した。

同プロジェクトでは、遠隔編集サービスを実現するために必要なシステム構成や機能について、各社が持つ技術やノウハウを持ち寄り事業創出を目指す。また、新事業の展開にあたって、5社共同による実証実験を開始するとのことだ。

今回の実証実験では、編集者はNTT西日本が提供する「フレッツ 光クロス」を利用して自身の操作端末からあらかじめ編集ソフトがインストールされたサーバにリモート接続し、編集作業を実施する。編集者の端末からサーバまでの間にフレッツ 光クロスを使って通信を行うことで、リモート環境下でも安定した操作性や、オフィス環境と同水準の操作性が実現できるかを評価する予定だ。

  • 実証実験のシステム概要図

近年の放送局や番組制作会社では、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の利活用によって、多様な働き方を認めるとともに番組制作業務の効率化を目指す動きが活発化している。また、コロナ禍によって従来の番組制作方法の見直しを迫られたことから、撮影現場からリモートで番組制作する「リモートプロダクション」や「クラウド型遠隔編集サービス」による、映像素材の運搬コスト削減など番組制作ワークフローを改善する動きが進んでいる。

その一方で、番組制作現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にあたっては、オフィス環境と同程度の水準の操作性に加えて、高精細な編集映像を遠隔地にロスなく伝送する技術や経済性が求められる。こうした課題解決を目指して、5社は各社の持つ技術と強みを組み合わせた遠隔編集サービスの開発およびサービス提供に向けた「遠隔編集サービス共創プロジェクト」の発足に至ったとのことだ。

  • 番組制作現場のDXのイメージ