日本ヒューレット・パッカード(HPE)は3月2日、KDDIが商用ネットワークで運用を開始した、O-RAN(Open RAN:相互運用可能でオープンな無線アクセスネットワークの仕様策定を推進する標準化団体「O-RAN ALLIANCE」の仕様のこと)準拠の5Gスタンドアローン基地局に「HPE ProLiant DL110 Gen10 Plus - Telco サーバ」が利用されていることを明らかにした。

KDDIは、5Gネットワークの全国展開を図るにあたり、5G基地局の構築を加速している。このたび、KDDIが利用したHPE ProLiant DL110 Gen10 Plus - Telco サーバは、Open RANおよびvRANワークロードを処理するために設計されており、高帯域幅・低遅延を必要とするエッジアプリケーション向けに最適化されている。

HPEは、分離されたRAN(無線アクセスネットワーク)インフラとワークロードの展開においてゼロタッチに近い運用体験を実現し、基盤の自動化と管理に加え、ネットワーク、サービス管理を単一の集中化されたクラウドベースのプラットフォームで実現できるよう、通信事業者と共に取り組んでいる。

HPE ProLiant DL110 Gen10 Plus - Telco サーバは、セキュリティを内蔵し、インテリジェントな管理の自動化をサポート、オープンな標準ベースのアーキテクチャをベースにさまざまなベンダーのソフトウェアベースのRANソリューションをサポートしている。

運用管理の効率は自動化とソフトウェア定義により実現し、プロビジョニング、メンテナンス、展開の時間短縮を支援するという。キャリアグレードのサーバは、複数の機能(ベースバンドユニット、リレーゲートウェイ、セルサイトゲートウェイルータ)を統合し、5G基地局に必要とされる収容効率・電力効率を実現。

昨今では、指数関数的にデータが増加していることと相まり、通信需要が高まっている。このような背景もあり、高速・大容量・低遅延の通信を実現する5Gの本格展開が急がれているが、膨大なインフラの構築と維持、運用管理を支える品質とコスト効率に優れた技術が求められている。

5Gがオープンスタンダードで開発されている背景には、コスト低下、イノベーション促進への期待があり、HPEはO-RAN AllianceとTelecom Infra Project(TIP)に参画し、通信業界うぃ変革期をサポートしている。HPE ProLiant DL110 Gen10 Plus - Telco サーバは、HPE 5G Core Stackを補完するHPE Open RAN Solution Stackの重要な構成要素。

HPE Open RAN Solution Stackは、通信事業者がコアからエッジまでのリソースやアプリケーションを共通の集中型の基盤から包括的に設計、展開、管理できるように支援する。いずれのソリューションもHPE Communications Technology Group(CTG)が開発。CTGは、市場で最も広範な通信事業者向けポートフォリオを提供しており、通信事業者や企業がオープンで相互運用可能なソリューションスタックのファミリーによって、巨大な5G市場への対応を支援するという。