NECとNECフィールディングは2月16日、保守部品の配送効率向上に向けて、量子コンピューティング技術を活用した実証実験を開始したと発表した。

同実証実験では、大規模な組み合わせ問題の超高速処理を実現するNEC Vector Annealingサービスを活用して、機器故障の発生後の保守作業で必要になる部品の配送効率の向上によるコストの削減とCO2削減、配送計画の立案の属人化解消などを目指す。

  • 保守部品を積み込みパーツセンターに待機している配送車

首都圏での部品配送については、過去のデータをもとに試算した結果、配送車の削減や距離の短縮化などにより配送コストを3割程度削減できることを確認できているという。両社は2022年2月より、現場での一部保守サービスに適用して実証実験を始め、2023年度の本格導入に向けて配送計画の精度向上と運用面の検証を進める予定だ。

NECフィールディングは、NEC製・他社製のICT機器および非ICT機器に故障が発生した際、CEが拠点からお客様現場に出向いて保守作業を行うサービスを提供している。首都圏で一日に発生する保守作業は数百件に上り、CEのスキルや到着時間をもとに作成した出動計画に沿って、交通事情を加味しながらパーツセンターから部品を配送しているという。

しかし、緊急対応や定期保守、時間指定への対応などのオーダーに対応し、配送エリア、部品の種類・サイズ、トラック・バイクなど配送手段の組み合わせを考慮しなければならないため、効率的な配送計画を立案できる人材が限られるといった課題を抱えている。