ウェザーニューズは2月9日、データ提供・分析サービス「WxTech(ウェザーテック)」において、企業の気候変動のリスク分析を支援する気候データセットの販売を開始すると発表した。1988年以降の1時間ごとの「解析雨量データ」を1キロメートルメッシュの解像度でSCVファイルで提供するとのことだ。

同社はこれまで、2018年1月1日以降の1キロメートルメッシュの過去気象データを1カ月単位で提供していた。今回は1988年以降の気象データについて1時間ごとの制度で提供する。

  • 「平成27年9月関東・東北豪雨」時の様子(2015年9月9日16時)

ユーザー企業は過去の解析雨量のデータを分析することで、工場や店舗、オフィスなどの拠点における大雨リスクを評価できるようになる。例えば、企業の各拠点における過去30年の最大積算雨量などを把握したり、実際の大雨の被害状況と当時の雨量を照らし合わせたりすることで、施設や設備の維持管理の判断基準となる雨量やBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)を見直すといった使い方だ。

  • 「平成27年9月関東・東北豪雨」時の様子(2015年9月9日16時)

近年の災害が激甚化する中で、事業継続の危機や各国の二酸化炭素排出量削減の動きなどから気候変動リスクへの対策は世界的な潮流となっており、企業には気候変動の影響を想定した経営戦略の策定が求められている。そこで同社は工場や店舗、オフィスなど拠点のピンポイントな分析に特化した過去30年分の気象データを、1キロメートルメッシュの制度で提供するとのことだ。

  • 「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」時の様子(2018年7月6日15時)

同社は今後について、2100年までの雨風や気温などの将来予測の気候データを国内外で提供する予定だとしている。