東日本電信電話 埼玉西支店(以下、NTT東日本)は11月1日より、川越一番街商店街(埼玉県川越市)の協力の下で、ICT機器やデータを活用したスマート商店街の実現に向けた実証を開始している。個々人に最適化された観光体験の提供を目指すという同実証実験の詳細な取り組みについて、現地で説明会が開催された。

  • 川越一番街商店街の街並み

今回の実証実験では、スマートフォンやタブレット端末から利用可能な観光客向けのサポートサイト「デジタルお散歩マップ」と、商店街の各店舗従業員を対象とした「スマート商店街」の2つのシステムを使用する。「デジタルお散歩マップ」では、店舗の収益や観光客の人流コントロール、サービス利用者の観光体験への影響を検証するという。

「デジタルお散歩マップ」は「初めての川越を楽しみたい」「たくさん写真を撮りたい」のように来訪の目的や、「友達」「ひとり」「恋人」など誰と来たのかといった複数の質問に回答することで、個人のタイプと現在地に合わせたおすすめのスポットを案内するWebサイトだ。

各店舗は商品クーポンとお得情報をリアルタイムに配信可能なため、空席状況に応じた来店の呼び込みや閑散時間の集客にも利用できる。

  • 「デジタルお散歩マップ」の画面イメージ

もう一方の「スマート商店街アプリ」は、川越エリアの人流データや気象データ、近隣で開催されるイベント情報などから来訪客の数や属性を予測して、商品の仕入れやイベント企画といった商店街の各店舗の事業を支援する。

同アプリは、直近1週間の商店街の混雑度、来街者数、天気予報を表示する需要予測機能と、過去の来街者や売り上げから傾向を確認可能な過去分析機能を有する。

  • 「スマート商店街アプリ」の画面イメージ

NTT東日本は以前から地域の活性化を目的として地域密着型の課題解決に取り組んでいる。今回は、観光客が多く訪れているものの、地域が持つ観光資産を最大限に活用しきれていないという課題を感じていた川越一番街商店街において、商店街の収益拡大を図るとともに観光客の満足度向上を目指して、両社は実証実験に踏み出したとのことだ。

NTT東日本埼玉西支店長の宅間由美子氏は「川越の商店街は地域密着型の店舗と観光客向けの店舗がどちらもあるユニークな街なので、多様な実験ができると期待している。商店街の方たちも活性化に前向きであることを実感しているうえ、魅力的なお店や観光スポットがたくさんあるので、来訪者の滞在時間の延長につながってほしい」と、川越を実証実験の舞台に選んだ理由を述べた。

  • NTT東日本埼玉西支店長 宅間由美子氏

また、川越一番街商店街の理事長を務める藤井清隆氏は「デジタルお散歩マップでは、店舗からのリアルタイムな情報発信機能を面白いと感じている。従来は従業員が店頭に立って観光客に声かけをしていたが、このシステムを使用することで、商店街中に当店の案内やおすすめの告知をできるようになった」とシステムの使用感を語っていた。

  • 川越一番街商店街 理事長 藤井清隆氏