日本電気(NEC)は8月30日、リアルタイムな河川監視や道路冠水の把握のため、神田川沿いやJR阿佐ヶ谷駅の駅前広場などを対象とした「IoT街路灯システム」を杉並区に納入したと発表した。

  • 杉並区に設置した「IoT街路灯管理システム」

    杉並区に設置した「IoT街路灯管理システム」

「IoT街路灯システム」では、水害発生時における杉並区民の避難などに有効なリアルタイムでの河川水位の情報提供、区職員による河川の監視や道路冠水箇所に対する迅速な対応を実現するという。

具体的には、神田川と善福寺川沿いのIoT化した街路灯5基にカメラを設置し、河川水位の状況をYouTubeチャンネル「杉並区河川ライブカメラ」(8月30日15時から公開)で映像をリアルタイムに確認できる。区のホームページにアクセスが集中し繋がりにくい際にも、区民はスマートフォンなどから直接YouTubeへアクセスすることでスムーズに閲覧可能。また、管理者用カメラを4台設置し、区職員による河川施設の監視も行う。

また、JR阿佐ヶ谷駅の駅前広場など、過去に大雨の影響で浸水被害が発生している箇所にはIoT化した街路灯5基に冠水センサーを設置して道路冠水を監視する。センサーの情報は、区職員のパソコンやスマートフォンにアラートメールで届き、リアルタイムで情報収集できるとしている。

通信回線には、地域BWAや低消費電力の長距離無線通信技術LPWAの規格の一つであるSigfoを活用し、カメラ映像の伝送やセンサー情報の収集などのそれぞれの用途に応じたネットワークにより、低コストでのシステム構築・運用を実現しているということだ。