Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は7月12日、エッジにおけるリアルタイム制御、ネットワーキング、分析アプリケーションなどに向けた高性能マイコン「Sitara AM2xシリーズ」を発表した。

  • AM243xファミリ

    TIにおける高性能マイコン「Sitara AM2xシリーズ」の位置づけ (資料提供:日本TI)

同シリーズは従来のマイコンで求められた汎用性や使い勝手とMPUで求められてきた高性能を統合して開発されたもの。同シリーズの第一弾となる「AM243xファミリ」は、Arm Cortex-R5Fコアを最大4コア(最大動作周波数800MHz)搭載し、2MBの内部シェアードメモリと組み合わせることで、ロボットをはじめとする工場で活用される製造機器におけるモータの動作速度や移動速度を向上させることが可能になると同社では説明している。また、その際の消費電力も1W未満に抑えることができるとしている。

  • AM243xファミリ

    「Sitara AM2xシリーズ」の第一弾製品となる「AM342xファミリ」のブロック図 (資料提供:日本TI)

さらに、センシングとアクチュエーションのペリフェラルも搭載しているほか、マルチギガビット産業用イーサネットプロトコルとTSN(Time Sensitive Networking)のサポートを基盤とし、同社から提供される認定済みのプロトコルスタックを活用することで、EtherNet/IP、EtherCAT、PROFINET、IO-Link Masterなどをサポートすることができるともしている。

  • AM243xファミリ

    「AM243xファミリ」の機能概要 (資料提供:日本TI)

このほか、セキュリティとして、オンチップのセキュリティ機能ならびに最新の暗号化要件をサポートしているとのことで、内蔵の機能安全メカニズムや診断機能に加え、各種の関連資料を用意したことで、システムインテグレータは産業用設計でIEC61508規格の安全整合レベル(SIL)3を目標とすることができるようになると同社では説明している。

なお、すでにAM243xファミリとして、AM2431、AM2432、AM2434が17mm×17mmならびに11mm×11mmのパッケージで1000個受注時の単価(参考価格)6.05ドルからでTIのWebサイトより入手可能となっている。また、設計の複雑性の緩和に向けた開発キット「Sitara AM243x LaunchPad」も用意。こちらは89ドルで同じくTIのWebサイトより購入することが可能だという。