NTTコミュニケーションズは6月25日「NTTコミュニケーションズの「ワークスタイル変革」 - コロナ禍でもES向上を実現した、「リモートワーク」だけではない働き方の実践事例」と題した記者説明会をオンラインで実施した。

登壇したNTTコミュニケーションズ ヒューマンリソース部長の山本恭子氏は、2002年に「eワーク」という名称でリモートワークへの取り組みを同社が開始した当初から関わったメンバーの一人。20年かけて組織に馴染ませてきたリモートワークがコロナ禍で後押しされ、従業員満足度という形で明確な成果が得られたことなどが当日は語られた。

  • NTTコミュニケーションズ ヒューマンリソース部長 山本恭子氏

ワークスタイル変革の先にある2つの世界

山本氏は冒頭で「ワークスタイル変革そのものが目的ではない。この先に少なくとも2つの世界が存在する」として、経営者目線ではデータドリブン経営が、社員目線では働き方をデザインできる世界があると語った。

ワークスタイル変革が行われ、リモートワークが特別なものではなくなった「リモートワークネイティブ」な環境では、コミュニケーションや情報、課題、進捗、各自のモチベーションが見える化される。また、紙のプロセスの電子化や自動化を目指したプロセス標準化、情報や知のオープン化・共有といった業務プロセスの変革も、リモートワークをきっかけに行われる。その結果、データが蓄積され、そのデータから現状の把握が可能になり、データ分析による経営判断ができる状態へと移行する。これが、ワークスタイル変革とデータドリブン経営の関係だという。

  • ワークスタイル変革からつながるデータドリブン経営

一方社員は、整えられた制度や設備を活用することで、働き方が自己でデザインできるようになる。ライフステージや価値観、スキルや得意分野といったものに加え、仕事内容も多様化する今後は、どこでどういう働き方をしたいか各々がデザイン可能になる。これは、場所や時間だけでなく、雇用形態や副業の有無を含む選択になるという。

「違うことが当たり前の世界で、誰も取り残されない働き方。究極のダイバーシティ&インクルージョンかもしないが、それが働き方をデザインできる世界」と山本氏は語った。

  • 多様な個人と多様な仕事に対応できる「働き方をデザインできる世界」

従業員満足度が大幅向上 女性・若手に顕著な結果

2020年2月下旬からは「原則リモートワーク」という形で派遣社員も含めた8割の従業員がリモートワークを実施しつづけている同社では、毎年行ってきた従業員満足度調査に顕著な変化が出たという。

2020年12月に13000人超を対象として行われた調査の結果で見えたのは、全項目における満足度の大幅な向上だ。特に女性の満足度が大きく向上し、初めて男性と同レベルになった。また年代別では20代の満足度も大きく上昇、世代間格差も縮まっている。

  • 従業員満足度の大幅向上が見られた2020年度調査結果

  • 女性の満足度が男性と初めて並んだ

  • 20代の満足度が向上し世代間格差が減少

「やっている側にとっては、従業員満足度はそう簡単に上がらないもの。それがいきなり上がったので非常にびっくりした。われわれ自身も驚いた結果」語った山本氏は、理由としてリモートワークが大きいとした。