NTTコムウェアは4月21日、同社がこれまでNTTグループの通信設備をメンテナンスしてきたノウハウを体系化し、一般提供するため、社会インフラ分野における設備の新規計画から維持、更改・廃棄までの一連の管理業務を総合的に支援するため新事業ブランド「SmartMainTech(スマートメインテック)」の提供を開始した。

  • SmartMainTechでは、計画、点検、診断、措置の4つのサイクルを支援するという

4月21日には第1弾として、AI施工検査サービス「Infratector typeC」と現場とオフィスのコラボレーションで生産性向上を実現する「フィールドコラボ」の2つをリリースした。

Infratector typeC

「Infratector typeC」は、画像認識AI「Deeptector」を用いて、適切に施工が完了しているかを自動で判定するもの。AIの学習済みモデルをSaaS型サービスとして提供するため、利用企業側での教師データの準備やチューニング作業は不要だという。

  • Infratector typeC。ケーブルの曲がりの半径をチェックする

「Infratector typeC」は、撮影ガイド機能とAI機能で構成される。撮影ガイド機能(上の写真左側)は、施工写真の撮影に最適化された撮影用フレームをスマートフォン画面上に表示することで、判定しやすいように正しい写真を撮影できるようにしている。AI機能は、施工結果の写真をもとに、施工の基準に適合しているか否かを自動で判定する(上の写真、右側)。

  • Infratector typeCの特徴

「Deeptector」により、写真からの物体検出のほか、物体の色や長さ、取り付け順序など、複雑な判断条件を処理できるという。これにより、これまで、後日、人の目によってチェックしていた作業について、現場で検査結果を確認できるため、撮影・施工ミスがあった場合もその場で対処が可能だという。

  • Infratector typeCの導入効果

「Infratector typeC」は、工事量が急増する5G工事へ対応が期待できるという。料金は、利用企業の導入規模・施工検査件数により個別見積りとなる。

  • 今後の展望

「フィールドコラボ」

もう一方の「フィールドコラボ」は、、インフラメンテナンス工事に関わる作業現場とオフィス(事務所)をつなぎ、リモートでの工事支援と工事進捗のリアルタイム共有・可視化を実現するクラウドサービス。

  • フィールドコラボの概要

オフィスの「現場管理者」が、現地の「現場作業者」を映像と音声で支援する「遠隔支援機能」、現場から工事進捗を手軽にチャットで報告できる「チャット報告機能」、これらのやり取りした内容を自動で工事案件ごとに保存し工事の進捗を可視化する「工事進捗管理機能」を提供する。

現場作業者が「遠隔支援機能」により、現場の映像をスマートフォン等で撮影し、遠隔にいる現場管理者に視点共有することで、現場管理者は現場の状況に応じたアドバイス・指示や結果のチェック、安全確認等を行うことが可能となる。さらに、「遠隔支援機能」によるやり取りは自動で業務管理データベースに蓄積され、案件に紐づけて保存されるため、工事証跡としての活用も可能だという。

工事案件を登録することで、現場作業者と現場管理者のコミュニケーション用チャットルームが、利用中のビジネスチャットにおいて自動的に作成され、普段利用しているビジネスチャットと同じツールで報告が可能となる。報告内容は、業務管理データベースに自動で蓄積され、工事進捗に反映され、現場管理者は、同時並行で実施されている工事の進捗や課題を一元的にリアルタイムに把握できるようになるという。

  • フィールドコラボの利用シーンと導入効果

料金は、利用企業の導入規模・使用条件により個別見積り。

SmartMainTechでは、これまで同社が提供してきた機能を体系化し、部品化して、各製品に埋め込んで利用できるようにしている。

  • SmartMainTechは機能を部品化

同社は、当面、通信インフラ、再生可能エネルギー、文化財/建物・街の3つの分野に注力し、5年間で100億円の売上を目指し、今後、ソリューションブランドを構成するプロダクト(製品・サービス)ラインナップを拡充していく。

  • 今後の拡充予定