NTTコムウェアは9月15日、品川本社1階に人が集って交流し、さまざまなビジネスを創造する場所「ParkLabo.」(パークラボ)をオープンさせた。コンセプトは「コーポレートブランドの発信と社内外の人が 交流 できる空間」。

  • 「ParkLabo.」

「ParkLabo.」の広さは420平方メートルで、セキュリティゲートのないオープンなスペースとなっている。社員以外にも、顧客やパートナー企業、学生など、幅広い利用を想定している。

「ParkLabo.」は、Park(公園)とLaboratory(実験室)を合体させた造語で、人が集って交流し、さまざまなビジネスを創造することを目指している。

内部は、RECEPTION、EXHIBITION、CAFE、COLLABO、 MEETINGという5つのエリアで構成。入口にあるRECEPTION&CAFEエリアから奥に行くにつれ、集中した作業が行えるようにゾーン分けしているという。

  • エリア構成

RECEPTION&CAFEエリアは、ParkをイメージするリアルグリーンとLabo をイメージする無機質なサインを組み合わせることで、人が集い憩う「公園」、さまざまなモノを創造する「実験室」を掛け合わせたParkLaboのコンセプトを具現化したエリア。入口にハイテーブルや椅子を設置することで、ふとした出会いからの立ち話、待ち合わせを可能にしているという。

  • RECEPTION&CAFEエリア

EXHIBITIONエリアは、コーポレートブランドの発信と最新の商品を体験できるエリア。AI チャットボット(ヘルプデスク BOT) を使った施設の利用ガイドに加え、最新のソリューション(現在は LIKEUP) を展示。PR動画を閲覧できる大画面モニターを設置し、コーポレートブランドや自社 製品を知ってもらえる空間にしている。今後は、商品紹介をすべてデジタルコンテンツに変更、売りとなる商材を定期的に入れ替え、旬なサービス・商品をリアルに体験・体感できる場所にしていくという。

  • EXHIBITIONエリア

CAFEエリアは、カフェのような空間にすることで、場所にとらわれずリラックスしクリエィティブな発想を促進するエリア。テーブル単位で電源を整備しているほか(電源は全体のテーブルに設置)、椅子の高さや形を変えており、気分転換して、新たな発想が生まれるようにしているという。

  • CAFEエリア

COLLABORATIONエリアは、企画検討、イベント開催、ワークショップ等さまざまな利用用途に対応し、協創を促進する空間。可動式の椅子や机、ホワイトボードを設置し、少人数での打合せ、セミナーやスクール形式での利用等、用途に合わせたレイアウト変更が可能。椅子の高さを高めにして、座っている人と立っている人の目線が合うようにして、入って来た人との偶然の出会いにより、気軽に議論が始められるように工夫しているという。

  • COLLABORATIONエリア

一番奥のMEETINGエリアは、3方向を壁で囲み、ファミレス風の椅子の配置になっている。入口のロールスクリーンをおろすことで、セミクローズドな環境を実現。一体感のあるミーティングや集中した作業ができる空間にしている。社員にはこのスペースの人気が高いという。

  • COLLABORATIONエリア

「ParkLabo.」は、イベント開催時を除いて予約なしで利用でき、各テーブルには在席センサが設置され、リモートでリアルタイム(1分間隔)に利用状況が確認できる。

  • Webで利用状況を確認できる

  • テーブル下のセンサ

「ParkLabo.」の計画は昨年秋から開始され、社員とのワークショップを重ね、社員からは「中の繋がりと外とのコラボレーション図る場所」「オープンで使いやすい場所」という希望が多く寄せられたという。

ビジネスインキュベーション本部 ビジネスインキュベーション部 担当課長 森井理佳氏は、「弊社はお客様企業とのコラボレーションビジネスを創出する方向に転換してきており、それがこういった場所を作る背景となっています。ここをビジネスを創出するビジネス企画において、リアルとリモートをシームレスにつないだ、今のニューノーマル時代に対応したコミュニケーションが取れる場所にしていきたいと思っています」と狙いを語った。

顧客に対しては、認知度向、信頼感、期待度の醸成を図る場所と利用し、商材説明、 勉強会、新サービスの体験会などを行う予定。

パートナーに対しては、プロモーションやビジネス サービス企画立案用途で利用してもらい、具体的にはデザインシンキング、アイディアソン 、ブレスト、記者発表などを行っていくという。

学生向けには、採用イベントや内定者向けイベント、インターンシップなどを行い、自社の認知度向上やメージアップを図っていく。

実際、先日、3日間のオンライン開催を含め、4日間のインターンシップを開催し、最終日に「ParkLabo.」で成果発表会を開催した。

社員向けとしては、Meetup、アイディアソン 、 ブレスト、コミュニティイベントを開催してもらい、ビジネス/サービス企画立案や社員間のコラボレーションに利用してもらう予定だ。

また、在宅勤務が多いコロナ禍においては、オンラインとリアルをシームレスにつなぎ、ニューノーマル時代の「ワイガヤ」を実現し、これまで以上の企画力につなげるとしている。

「カメラが全体を見渡せるものになっているので、リモートで参加する人が疎外感を感じにくい会議ができると思います」(森井氏)

また、ビジネスインキュベーション本部 ビジネスインキュベーション部 ビジネス企画担当 スペシャリスト 足立未央氏は、「これまでは組織が縦割りになりがちで、交流が進まない面がありました。『ParkLabo.』では気軽に他部署の人と話ができるので、そういったつながりができつつあると思っています」と、効果を語った。

同社では、ニューノーマル時代への対応に向け、全社員にSurfaceを配布したほか、「ParkLabo.」内にSurface Hubを設置。ワイヤレスでの画面表示やリモート参加者を含めた共同編集を可能にしている。また、自社サービスの社内利用も含めて利用するツールも刷新したという。

これによって、決まった場所で(Fixed Place)、決まった時に(Fixed Time)、決まったツールで(Fixed Tools)という「3F」から、どこでも(Anywhere)、いつで も(Anytime)、どんなツールでも(AnyTools)の「3A」にシフトするとしている。

  • 3Fから3Aに