ソフトバンクとニコンは3月18日、AI(人工知能)技術、画像処理技術、精密制御技術を活用することで2台の通信機が双方向で360度追尾可能な「トラッキング光無線通信技術」の合同実証を行い、2020年12月に成功したと発表した。
光無線通信は電波障害に強く秘匿性が高いという特徴がある一方、光の直進性という性質から動く物同士の通信への適用は難しいとされてきた。
今回実証に成功した技術によって動く物同士の通信が可能となることで、将来的には車車間通信や路車間通信、無人搬送車などの産業用ロボットやドローンとの通信、電波が通らない水中での無線通信といった領域で新たな市場創出が期待されるという。
両社は、AI技術、画像処理技術、精密制御技術を駆使して水平方向360度、垂直方向50度の追尾性能を持つトラッキング光無線通信機を開発。2台の通信機が互いに捕捉することで光軸を合わせ、通信機それぞれが移動しても途切れずにデータ通信する実証に成功した。
今回の実証では街中での活用を見据え、安全なLED光無線通信機(通信距離:100m, 通信速度:100Mbps)での実証を行ったが、今後、高出力なレーザー光を用いることによる長距離化や高速化、小型化により、新領域での市場創出を狙う。