Slackは今週、オンラインカンファレンス「Slack Frontiers 2020」(10月6日~9日)を開催しており、組織間のダイレクトメッセージを可能にする「Slack Connect Direct Messages」や、Slackの管理者が外部の組織とのつながりをセキュアかつ効率的に管理できる「Managed connections」などを発表したが、それらだけではない。同社は他にも、平行して開発している2つのプロトタイプ段階の機能を明らかにした。対面環境のオフィス内における社員同士のコミュニケーションや連帯をリモートワークでサポートするもので、1つはInstagramのストーリーズのような動画メッセージング機能、もう1つはインスタント音声通話だ。

Slackが9,000人以上のナレッジワーカーを対象に行った調査 (6月30日~8月11日)において、リモートワークに関して挙げられた課題の上位5つのうちの4つが社員同士のつながりの構築や維持に関することだった。新型コロナウイルスの感染拡大からリモートワークが日常化したことで、オフィスの対面環境における社員同士の自然発生的なやり取りの良さが失われている。プロトタイプ段階の2つの機能は、リモートワーク環境において、社員やチームメンバーのつながりを深め、共に働くことをサポートする。

  • Instagramストーリーズのような動画メッセージング

    ビデオの親しみやすさと非同期コミュニケーションの長所を融合

Instagramのストーリーズは、24時間で消える写真や動画の投稿を通じて、日常の体験などを簡単に友達や家族とシェアできる。気軽に伝えられるのがポイントだ。開発中のSlackのビデオメッセージング機能は、非同期の動画メッセージングを使ってメッセージを伝えられるようにする。メッセージを伝える方法としては、テキストよりも動画チャットの方が親しみがあってつながりがより深くなるが、動画のコミュニケーションを優先すると、動画カンファレンスに加えて動画ミーティングのスケジュールに追われることになる。非同期の動画メッセージングなら、ミーティングをスケジュールすることなく、柔軟に動画メッセージを送って他のメンバーのメッセージを確認できる。例えば、オフィスに出社した時にチームメンバーと立ち話で簡単に情報をアップデートするように、午前9時前後にチームメンバーがそれぞれ簡単な動画メッセージを投稿し、コーヒーを淹れてから他のメンバーの動画メッセージをチェックするというようなコミュニケーションが可能になる。

インスタント音声通話は、送信ボタンを押したら音声送信状態になるプッシュツートークの感覚で、チャンネル内においてメンバーに簡単に話かけられる音声通話オプションとして開発している。オフィス環境では同じ仕事に取り組む社員の間で、仕事の進捗をアップデートしたり、分からないことを質問するなど、机をはさんで会話をしながら仕事を進めることがめずらしくない。ミーティングではないチームメンバーとの気軽な会話から思いもよらないアイディアが生まれることもある。そうしたオフィスで周りの社員に話しかけるようなコミュニケーションを、インスタント通話は目指している。