さまざまなモジュールがつながる「ハーモニー」モジュール
そして「きぼう」の隣、ISSの進行方向最先端に位置するアメリカの「ハーモニー」モジュールへ。ここは現在、開発中の民間宇宙船が2020年中にもドッキングすると期待される注目の場所。日本の貨物船「こうのとり」などもドッキングしている。
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ISSの全体像。写真手前が進行方向。一番手前右側が「きぼう」。左側に欧州実験棟「コロンバス」。「きぼう」と「コロンバス」の間の連結部が「ハーモニー」。手前に飛び出しているのは宇宙船がドッキングの際に用いるPMA。写真奥にロシアンモジュール (提供:NASA)
ISSの最前部にある「ハーモニー」には多数のモジュールが連結している。PORT(左舷)側には「きぼう」、STBD(スターボード、右舷側)には欧州実験棟「コロンバス」(PORTやSTBDなど船舶用語が使われている。ISSは船なんですね)。そして最前部のハッチ(扉)に開発中の民間宇宙船、つまりスペースX社のクルードラゴンやボーイング社のスターライナーがドッキング予定だという。
実際は、ハッチの外側にPMA(与圧結合アダプタ)というドッキング機構が取り付けられ、そのトンネルをくぐって宇宙飛行士は「ハーモニー」のハッチにたどり着く。PMAの中に入ることはできなかったが外観を見せて頂いた。
ハーモニーも宇宙飛行士の個室を備えている。ただし窓はない…。
ISSの広さを体感
どの部屋にもコミュニケーションシステムがあり、ヒューストンやモスクワ、筑波など世界各地の管制センター、ISS内外と連絡を取り合うことができる。回ってみて実感したが、ISSはかなり広い。各国の実験棟がそれぞれバス1台分ぐらいの広さがあり、倉庫モジュールなどもある。「きぼう」で1人実験をしていると、数十メートル離れたロシア棟にいる仲間に話しかけるのも、楽ではない。
ISSは地球の周りを周回し続ける巨大な潜水艦のようである。宇宙飛行士が交替したり、物資を届けたりするために、様々な宇宙船が訪問する。次はそれら宇宙船を見せて頂いた。