XYZプリンティングジャパンは2月26日、高速ながら高精細な造形を可能としたデスクトップタイプの産業用3Dプリンタ「PartPro120 xP」を発表した。また、同日より開催されている「日本ものづくりワールド 2020」の同社ブースにて実機を用いるデモを公開した。
「日本ものづくりワールド 2020」のXYZプリンティングジャパンブースにて行われている「PartPro120 xP」実機デモの様子。デモ機は特殊仕様で、扉を開けても造形が止まることがない
同3Dプリンタは吊り下げ方式を採用しており、高精細プリントを可能とするDLP技術と、1分で5mmの積層が可能な超高速プリントを可能とする独自技術「UFF(Ultra Fast Film)」技術を組み合わせることで、高精細と高速性の両立を可能とした。UFF技術は、レジンタンクに満たされたレジンを特殊なフィルム化し、パーツを引き離す距離を最小化することで精度と速度の両立を可能としたもの。高さ100mmまで対応しており、大抵のものであれば10分程度、100mmまで行っても20分もあれば造形を完了することができるのが特徴となっている(1分で5mmの高さが造形されるため)。
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UFF技術のイメージ。通常は引き上げ距離をある程度取る必要があり、そこで時間がかかっていたが、UFFではその引き離し距離を最小化することで、高速造形を可能とした
最大造形サイズは従来品のPartPro100 xPと比べて2.4倍となる114mm×64mm×100mmで、対応する材料はスタンダード、キャスタブル、高耐熱、タフ、フレキシブルとしているが、オプションとしてパートナーであるVegoブランドでデンタル材料が、同じくパートナーであるイグアスからABSライク材料が提供される。
PartPro120xP」の概要
高速かつ高精度であり、同社としては日本市場として家電や小物などのプロトタイプから最終試作品まで幅広く活用してもらうことで、初年度で数百台の販売を目指すとしている。
造形例各種。いずれも10分程度で造形を終えることができるので、量産適用しようと思えば、それも可能だという
なお、パートナーのイグアスが26日付で国内先行予約を開始している。本体希望小売価格は138万円(税別)としており、2020年6月下旬からの出荷を予定している。また、対応材料については、最初はスタンダードの提供から開始、2020年8月ころまでにすべての材料の提供が可能になる見通しとしている。
実際の造形デモの様子。複数の指輪の土台をものの10分で造形した
