凸版印刷は9月26日、「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用し、遠隔観光体験、スポーツ観戦、リモート・ワークなどの用途を想定した、遠隔地にいる人と体験を共有できるウェアラブルデバイス「IoAネック」を開発したことを発表した。

  • 「IoAネック」装着・利用イメージ (c)Toppan Printing Co., Ltd.

    「IoAネック」装着・利用イメージ (c)Toppan Printing Co., Ltd.

同社が開発した「IoAネック」は、前面に搭載された端末から映像や様々なコンテンツの送受信が可能で、身につけた人が見たり聞いたりしたものを、遠隔地にある画面を通じて同時に体験ができるデバイス。

装着部分が振動することによるハプティクスで指示を出すことが可能で、遠隔地で画面を見ている人がコントローラーを通じてIoAネックを振動させることで、「右を向いて」や「左を向いて」などの指示を出すことが可能。これにより、言葉を介さなくてもコミュニケーションを図ることを可能にするということだ。

ウェアラブルタイプのため、従来のコントローラーで操作する分身ロボットでは行くことができなかった悪天候・悪路や、狭い場所、昇り降りが発生するような場所からでも、より簡単・気軽に遠隔体験が提供可能だという。

また、遠隔地からIoAネックを装着している人への指示だけではなく、その逆となるIoAネック装着者から遠隔地のコントローラーへ振動を使用したハプティクスによる意思疎通も可能。例えば「ここが注目ポイントです!」「少し休憩をしたい」などの意思が、遠隔地にいる人が持つコントローラーを通じて振動で伝わるということだ。

価格は月額1台3万円〜(導入するオプションによって異なり、通信費用は別途必要)。

なお、同デバイスは、明治安田生命J1リーグ 第27節 鹿島アントラーズ VS 北海道コンサドーレ札幌戦(開催日:2019年9月28日)で初導入される。NTTドコモと共同で、様々な制約により実際にスタジアムに足を運ぶことが困難な「鹿島特別支援学校」の子供たちを、遠隔地から試合へ招待する取り組みに活用されるということだ。