日本オラクルは19日、Oracle Utilities Opowerが世界各地の一般家庭において約23テラワット時(TWh)の累計節電量を達成したことを発表した。

米Oracleが買収したOpowerは、カスタマケアや請求処理、顧客エンゲージメントなども展開するベンチャー企業(2007年設立)であったが、世界各地100社を超える公益事業者と提携し電力会社のデータと天候や気温などサードパーティデータを組み合わせることで個々の顧客ごとにパーソナライズした効率化の術を提供、現在ではOracle Utilitiesの一部門「Oracle Utilities Opower」となり省エネ促進サービスプラットフォームとして成果を挙げている。

Opowerの行動情報に基づく家庭向け省エネレポートは多くのチャネルとタイミングを最適化、同じ家族構成の世帯での比較やこれだけエアコンの温度を下げるとこれだけ電気料金が下げられるなどビッグデータ解析を意味のある指標に置き換えて行動を促す点に大きな特徴がある。ただ単にデータを羅列するだけでは、人々の行動は喚起できないことを実践している。今回、プログラム発表から10年を経て累計約23テラワット時という節電を達成したことを発表している。大きな数字でピンとこないが、大阪府の全世帯に必要な電力約1年分、日本におけるすべての個人用携帯電話の74年間の充電に匹敵する電力になるという。

日本では2017年に環境省の委託を受け、電力会社4社と連携、「Oracle Utilities Opower Energy Efficiency Cloud Service」を用いてエネルギー事業者あたり6万世帯にレポートを送付。2018年4月に環境省はその取り組み効果を発表している(環境省 報道発表資料)。紙でのレポートで1から2%、スマホアプリやアラートメッセージで3%の効果を確認しており、仮に日本人全家庭が年間2%節約することで数兆円のコストを節約できると試算している。

Oracle Utilities Opower のOracle Utilitiesグループ担当グループ・バイスプレジデントのScott Neuman(スコット・ニューマン)氏は「日本の環境省を含む当社のパートナーやエネルギー事業者の顧客と協力し、電力消費のコントロールが可能となる実践的データに世界各地の1,500万世帯がアクセスできるようにしました。23TWhの累計節電量は、我々にできることの一部を示しているに過ぎません。これらのプログラムによって各家庭がより持続可能なエネルギーの未来を作り、日本を含む各国がCO2排出量削減目標を達成できるような影響を与え続けられると想像し、さらに前進していきたいです」とまだまだ各家庭が節電可能であり、それが持続可能な社会へと少しずつ歩みを進めることを述べている。