1994年に初開催されて以来、今年で25回目を迎える「Interop Tokyo」。最新のICTとそのソリューションを体感することができる貴重な機会とあって、会場となった幕張メッセには数多くの来場者が足を運び、500社を超える企業の最新情報や製品、サービスやソリューションに目を光らせていた。本稿では、「Interop Tokyo 2018」会場にて注目を集めていたヤマハ/SCSKブースの様子をお届けしていこう。

  • 6月13日から15日の3日間、幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2018」会場より

    6月13日から15日の3日間、幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2018」会場より

YAMAHAロゴの歴史(同社公式<a href="https://www.yamaha.com/ja/about/history/logo/" target="_blank">Webページ</a>より)

YAMAHAロゴの歴史(同社公式Webページより)

楽器、音響機器、バイクから電子デバイスからロボットまでいたるところに輝くYAMAHAのロゴマーク。ヤマハのロゴのシンボルとも言える交差する3つのオブジェクトが“音叉”だということはご存じだろうか。

ロゴマークの歴史は同社起源となる日本楽器製造株式会社設立翌年の1898年商標制定"音叉をくわえた鳳凰図"から1916年に商標登録出願した音叉単独でのマークにまで遡る。楽器の音の調整に利用される鋼鉄U字型のツール。”十手”や”さすまた”と同じ鉄の棒と考えてはならない。特定の周波数を持つ音を出して繊細な音を調整するというメカニックな役割を担う。この音叉を3つ交差させるロゴは、「技術」「製造」「販売」の3部門の協力体制と、「メロディー」「ハーモニー」「リズム」の音楽の基本を象徴している。日本での洋楽器製造の先駆けでもあり、悪戦苦闘の末にオルガンを完成させた創業者山葉寅楠氏が紡ぎ出したマークだ。

ネットワーク製品の歴史も長い。音を突き詰める同社は音声処理技術を応用して1987年に通信用LSIを開発、この分野に参入している。通信と音の関わりは深い。”モデム”の記憶のある方はあの懐かしい”ピー、ガー、ヒュルヒュル”と音を思い出せるが、音の高低を0と1のデジタルに変換することでデータを遠方へと回線を使って飛ばしていた。同社公式サイトの「ネットワーク機器20th Anniversary」には、これらの歩みが掲載されているがユーザーコミュニティを活性化させながら小型化、多機能化と”ヤマハルーター”を作り上げている。「見える・つなぐ・ヤマハ」と題されたヤマハ/ SCSKブースでは、そんなヤマハのネットワーク機器を利活用することにより「なにを実現できるか」といった、企業内で抱える課題解決のヒントを含んだ展示が行われていた。

  • 「Interop Tokyo 2018」、ヤマハ/ SCSKブースより

    「Interop Tokyo 2018」、ヤマハ/ SCSKブースより

なかでも注目を集めていたのは、“ヤマハネットワーク 見える化ソリューション”と銘打たれたコーナー。ヤマハ独自の「見える化」機能が搭載され、管理・監視機能が充実したインテリジェントL2スイッチや、用途別に機能を絞り込み低価格を実現したシンプルL2スイッチまで、豊富なラインナップを揃えるSWXシリーズを利活用することによって、LAN構築の見える化はもちろん、「LANマップ」「LANマップLight」機能を用いて接続状況を確認しながらグラフィカルに設定を行うことも可能になるという。LANの今が見える化されることによって、現状の把握のみならず障害対応時の作業負荷軽減にも繋がるとのこと。

  • こちらがネットワーク状況の今を容易に確認することも可能になる「LANマップ」「LANマップLight」の画面

    こちらがネットワーク状況の今を容易に確認することも可能になる「LANマップ」「LANマップLight」の画面

  • ギガアクセスVPNルーターの「RTX1210」やスイッチ製品「SWXシリーズ」がずらり。また、参考出展としてSWX2200のレイヤー2/L2MS スレーブ機能を継承した次世代のスマートL2スイッチ「X19」も展示されていた
  • ギガアクセスVPNルーターの「RTX1210」やスイッチ製品「SWXシリーズ」がずらり。また、参考出展としてSWX2200のレイヤー2/L2MS スレーブ機能を継承した次世代のスマートL2スイッチ「X19」も展示されていた|
  • ギガアクセスVPNルーターの「RTX1210」やスイッチ製品「SWXシリーズ」がずらり。また、参考出展としてSWX2200のレイヤー2/L2MS スレーブ機能を継承した次世代のスマートL2スイッチ「X19」も展示されていた

その他で興味深かった展示として、昨今の働き方改革でも注目を集めている遠隔地とのコミュニケーションを容易にするコミュニケーションソリューションがあった。既にテレビ会議等のシステムを導入している企業も多いかと思うが、思いの外“音”のクオリティに不満を抱いている人々も多いという。かく言う筆者も過去に遠隔地を結んだテレビ会議の場で「声がこもっていてなにを言っているのかハッキリわかりづらいな」と感じた経験がある。そこで、ヤマハはユニファイドコミュニケーション用の機材を、8から40人規模で利用可能な「YVC-1000MS」や4から6名程度の小規模会議に最適化された「YVC-300」等が提案されていた。また、空間内の音の響きを快適にコントロールする調音パネルをあわせて利活用することで遠隔地に居る会議出席者があたかも目の前に居るかのような会話を実現することも可能になるという。また展示コーナーには、USB接続に加えBluetoothでも接続可能な「YVC-200」の姿も。コンパクトな製品サイズなため持ち運びも行えるため、例えばテレワークデイに自宅やシェアオフィス、最近その利活用方法も多いと聞くカラオケボックスなどに持ち込む、などという利用シーンが想像できる。

  • ユニファイドコミュニケーション製品も展示されていた。写真左の「YVC-300」は「さすが音にこだわるヤマハ」と利用者からも音質の良さが好評を博しているコストパフォーマンスに優れた製品だ

    ユニファイドコミュニケーション製品も展示されていた。写真左の「YVC-300」は「さすが音にこだわるヤマハ」と利用者からも音質の良さが好評を博しているコストパフォーマンスに優れた製品だ

  • こちらが参考出展されていた「YVC-200」。「YVC-300」よりもコンパクトな設計なため携帯性に優れていることに加え、マイク性能やスピーカー性能においてもヤマハならではのこだわりが詰め込まれている

    こちらが参考出展されていた「YVC-200」。「YVC-300」よりもコンパクトな設計なため携帯性に優れていることに加え、マイク性能やスピーカー性能においてもヤマハならではのこだわりが詰め込まれている

PCからスマートフォンまで接続状況を一発で表示したい。LAN管理をもっとカンタンに行いたい。実際に現場へ足を運ぶことなくリモートでトラブル対応したい。そういった現場の“できたらいいな”を実現してくれるヤマハのネットワークソリューション。今後、どんな“できたらいいな”をカタチにしてくれるのかに期待したい。

  • ブース内で行われていたミニセミナーも各回立ち見が出るほどの大盛況だった

    ブース内で行われていたミニセミナーも各回立ち見が出るほどの大盛況だった