NECは6月18日、グローバルでの社会ソリューション事業の拡大に向けて、新興国向けのソリューションと技術の研究開発拠点を7月にインドに設置すると発表した。

新拠点は、同社の現地法人であるNEC Technologies India(NECTI)内に、NEC Laboratories India(NLI)として新設し、インドの優秀なIT人材を採用して、社会ソリューションを支える技術の研究を行い、NECTI傘下のNECTI Center of Excellence(NECTI CoE)とともに、インドをはじめ新興国向けの社会ソリューションをアジャイル(迅速)に開発・事業化を推進する。

NLIは、インドにおけるバスによる大量輸送システム(BRT:Bus Rapid Transit)や、物流可視化サービスなどの事業を通じて得た現地ノウハウとビッグデータを活用した、サービス型ビジネスの開始に向けて、交通・物流分野、パブリックセーフティやデジタルガバメント、キャッシュレスペイメントなど、インド経済の発展に寄与する新たなソリューションの開発に取り組む予定。

インドは、GDPの年平均成長率が7~8%あり、ICT市場は2020年に年間510億ドルに達するアジア太平洋地域(APAC)最大の市場になると予想されていることに加え、都市の過密化対策など政府によるスマートシティ化への投資は年間500億ドル以上となっており、テロ対策など社会ソリューションへの需要が急拡大している。

NECは2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」においてセーフティ事業をグローバルでの成長エンジンに位置づけ、プラットフォームを活用したサービス型ビジネスへの転換、パブリックセーフティからデジタルガバメント、スマートトランスポーテーションなどへの事業領域の拡大を推進している。

今回、成長著しい新興国の中でも、APAC最大のICT市場といわれるインドのポテンシャルに注目。取り組みにおいて「NEC Safer Cities」実現に向けたソリューションやサービスの開発を加速・強化し、インドから新興国、さらには先進国へとソリューションを展開する(リバースイノベーション)ことを目指す考えだ。