サイプレス セミコンダクタは2月20日(米国時間)、BoschグループのIoTセキュリティプロバイダであるESCRYPTと協業し、LoRaWANオープン プロトコルを使用するアプリケーション向けのセキュアなマイクロコントローラ( マイコン)ソリューションを提供することを発表した。
これにより、ESCRYPTのセキュアなLoRaWANキーのプロビジョニングおよび管理アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)が、サイプレスの隔離実行環境やセキュア エレメント機能、高速暗号エンジンなど、ハードウェアベースのセキュリティを内蔵した低消費電力デュアルコアマイコン「PSoC 6 BLE」に統合され、LoRaWANキーの保護や管理に加え、セキュアなLoRaWANシステムの迅速な導入を可能にするという。
LoRaWANネットワークを利用するスマートシティおよびインダストリアルIoT(IIoT)アプリケーションでは、センサの集約や制御作動、無線スタック操作のための処理が必要で、無線スタックにはセキュリティ操作に2つのAES-128暗号キーが使用される。1つはネットワークサーバのパケットデータ認証用で、もう1つはアプリケーションサーバのパケット復号用だが、PSoC 6では、これらのキーは暗号操作のみに使用するだけで、他のプログラムからはアクセスできないようにすることが可能。無線スタックは、機密情報保護のために、マイコンの隔離実行環境内で署名や暗号化を実行するほか、セキュアブート機能により、起動時もセキュアな状態を確保することが可能だという。
なお、「ESCRYPT LoRaWAN Key Management System(KMS)」は、あらゆるLoRaWANエコシステムにおけるキーライフサイクル管理のためのクラウドベースのセキュリティサービスで、LoRaWANネットワークへのデバイスのプロビジョニングおよび登録や、LoRaWANエコシステム用のキーマテリアルをセキュアに保管することを可能とするもの。キーマテリアルが露出することはなく、許可されたユーザーのみに機密であるIoTデータへのアクセス権限を付与することができるという。