テックファームホールディングスとNTTドコモは10月30日、新規事業創出プログラムである「39works」のオンライン診療を実現するためにドコモが実証実験を基に開発した遠隔診療サービス「MediTel」を、テックファームが11月下旬から医療機関向けに提供開始すると発表した。

サービスの概要

同サービスは、患者がスマートフォンアプリを用いてオンライン診察予約や医師とのテレビ電話での診察、クレジットカードによる診察料の決済のほか、自己管理用に日々の健康データを蓄積することが可能なサービス。また、医師はブラウザを通じて、健康に向けたアドバイスやテレビ電話による診察などができる。

2015年の厚生労働省の遠隔診療に関する事務連絡の発出後、2017年は遠隔診療への診療報酬評価の方針を安倍首相が示すなどしていることから、2018年4月より遠隔診療が診療報酬上評価されるとの期待があり、これに伴い今後はオンラインでの診療への関心が高まっているという。

そうした背景の中、ドコモは遠隔診療の効果を検証するため、2017年1月から8カ月間、複数の病院でMediTelの実証実験を行った。

その結果、通院による移動や待ち時間などの負担を軽減できることや、患者と医師が共同で健康管理を行うことができる点が、仕事が多忙な患者や小さな子どもがいる患者、足腰が不自由で外出することが困難な患者から好評を得て、継続的な利用が可能なサービスだと確認できたという。同サービスでは、患者側の利用環境はAndroid 5.0以上またはiOS 9.0以上、医療機関はブラウザ(Google Chromeの最新版)となる。

今回の取り組みにおいて、テックファームはヘルスケアアプリの運用やユーザー向けアプリやサーバ開発のノウハウ、MediTel実証実験の開発実績を活かし、MediTelの開発および医療機関向けの販売・運用を行う。ドコモの39worksは、医師・患者へのヒアリング、法制度の確認、ビジネスモデルの構築、複数病院での実証実験、Design Sprintを利用するサービス設計、Scrumを利用するシステム開発など、プロジェクト全体の総括を行う。