日立製作所(日立)は、統合システム運用管理「JP1」の最新版である「JP1 V11.1」を製品化し、1月17日から販売を開始すると発表した。

最新版では、仮想化などの利用により構成が複雑化するITシステムにおいて、システム全体の稼働状況を把握・分析し、安定稼働を支援する「JP1/Operations Analytics」を強化。従来のサーバやストレージ、ネットワークなどのITインフラ層における構成の可視化に加え、新たに業務(ジョブ実行基盤)やDB(データベース)などのミドルウェア層の構成とITインフラ層との関係性も可視化した。

これにより、業務システム全体における健全性の把握や、システム障害発生時における障害の一次切り分けなどを容易に行えるため、迅速な障害対処が可能となる。

「JP1 V11.1」業務システムの健全性を可視化

また、ジョブスケジューリング製品「JP1/Automatic Job Management System 3」も強化した。業務の実行状況を把握するWebコンソール画面上において、今回新たにガントチャート表示を追加し、担当業務の進捗状況や遅延の有無などを視覚的に把握できるほか、過去の実績との比較を簡単に実施できるなど、実行スケジュールの監視がさらに容易になった。

このほか、既存システムとの連携が容易なREST APIの対応範囲を拡充したほか、Amazon Web Services(AWS)環境でのオートスケール機能を活用した運用において複数エージェントへのジョブの一斉実行を実現し、幅広い環境下での柔軟なジョブ運用を可能とした。

「JP1 V11.1」障害対処を迅速化

また、2016年7月にITサービスマネジメント分野における協業を開始したServiceNowとの協業成果の1つとして、「運用最適化ソリューション」を新たに提供開始する。運用管理ツールを活用した運用の現場で課題となっているITガバナンスの強化や標準化された運用プロセスに沿った適切な運用の実践を支援していくという。