独フランクフルトにて開催されているスーパーコンピューティングに関する国際会議「ISC(International Supercomputing Conference)2016」において、6月20日(独時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)の処理能力ランキング「TOP500」の2016年6月版が発表された。

47回目となる今回は、中国National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology(NRCPC)が開発し、National Supercomputing Center(Wuxi)に設置された新型スパコン「Sunway TaihuLight」がLINPACKのベンチマークで93.014PFlops/sを達成し、1位を獲得した。

中国の「Sunway TaihuLight」 (出所:TOP500 Webサイト)

2位は前回まで6回連続でトップを堅持してきた中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」(33.862PFlops、17.8MW)、以降、3位が前回2位の米オークリッジ国立研究所(ORNL)の「Titan」(17.590PFlops、8.2MW)、4位が米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sequoia」(17.173PFlops、7.9MW)、5位が日本の「京」(10.510PFlops、12.7MW)、6位が米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の「Mira」(8.586PFlops、3.9MW)、7位が米ロスアラモス国立研究所(LANL)とサンディア国立研究所(SNL)の「Trinity」(8.100PFlops)、8位がスイスSwiss National Supercomputing Centre(CSCS)の「Piz Daint」(6.271PFlops、2.3MW)、9位が独High Performance Computing Center(HLRS)の「Hazel-Hen」(5.640PFlops)、そして10位にサウジアラビアKing Abdullah University of Science and Technologyの「Shaheen II」(5.537PFlops、2.8MW)とそれぞれ前回より1位ずつ順位を下げる結果となった。

2016年6月に発表された第47回 TOP500の上位10システムの一覧

Sunwayスパコンは、プロセッサに独自開発の260コアを搭載した「Sunway SW26010(動作周波数1.45GHz)」を採用し、4万960ノード、消費電力15.4MW(6GFlops/W)で天河2号の3倍ほどの演算性能を実現したという。

今回のTOP500では、初めて国/地域別システム数で中国が167システム(前回109システム)と、米国の165システム(前回200システム)を抜き首位となったほか、欧州が105システム(前回は107システム)、日本が29システム(前回は37システム)となった。

全500システムの合計演算性能は566.7PFlops/s(前回420PFlops/s)となり、この内1PFlops/sを超えたのが95システムとなっている。また、455システムにIntelのプロセッサが、23システムにIBMのプロセッサ、13システムにAMDのプロセッサがそれぞれ搭載されているほか、93システムがアクセラレータ/コプロセッサを採用しており、その内訳はNVIDIAが67システム、Xeon Phiが26システム、ATI Radeonが3システム(NVIDIAとXeon Phiを搭載した3システム含む)となっている。

なお、今回のTOP500からGreen500も統合されることとなり、こちらの1位は6.67GFlops/Wを達成したPEZY/ExascalerのZettaScaler 1.6システムを採用した理化学研究所(理研)の「Shoubu(菖蒲)」が獲得した。