5月11日から13日まで、東京ビックサイトにて、IT技術に関する専門展「2016 Japan IT Week」が開催している。本稿では、多くの出展社の中から企業向けソリューションのブースをレポートする。

マクニカネットワークス

マクニカネットワークのブースでは、5月10日に販売代理店契約を締結したRiskIQの製品を展示していた。RiskIQは、独自のインフラでインターネットを広範囲にスキャンし、ユーザー行動をリアルに模倣する技術を持っている企業。この技術により攻撃者目線で Web サイト、不正アプリ、不正広告のリスクを可視化し、管理する外部脅威管理プラットフォームを提供している。

世界中から自社アプリや企業名の不正利用を検知できる

同社のソリューションである「RiskIQ Digital Asset Risk Management」は、米国および欧州の金融、広告、Eコマース、ヘルスケア、BtoC業界など多岐にわたる分野で導入実績があり、世界トップ10の銀行のうち7社で採用されているという。

ブースで紹介されていたのは、「RiskIQ External Threat Management」。世界各地に設置されたプロキシとユーザー行動をリアルに模倣する独自の技術(バーチャルユーザテクノロジー)によりクローリングを行い、企業のインターネット上にある全てのWebサイトを発見、監視。企業のIT資産の状態を明らかにし、それらのデジタルフットプリントを生成、収集し、可視化して自動通知および削除を実行する。

特に興味深かったのが、企業を騙る偽アプリ・偽サイト・偽アカウントなど企業のブランド価値や信頼を損なう脅威を検出する機能。自社のアプリや企業名が不正使用されていないかを一括で調査できる。モバイルアプリ領域では、160以上のアプリストア、1500万以上ものモバイルアプリを監視し、不正アプリの検出やポリシーに応じて削除を行っているという。

米RiskIQのRiskIQ Digital Asset Risk Management

ニフティクラウド

ニフティクラウドのブースでは、IoT活用に必要な各種機能をクラウド上で活用できるサービスのデモ展示を行っていた。

同社では、参考出展として「IoTデバイスハブ」という、さまざまなIoTデバイスを容易にクラウド接続するためのソリューションを紹介。提供時期は未定だが、専用SDKなどを用意し、容易に活用できる環境の提供や、IoTデバイスの登録や状態の管理、ユーザ認証などの各種機能とニフティクラウド内の各種データストアとの連携、外部プログラムとの連携も可能となるという。

IoTデバイスのデモ、異常を検知すると上のパトランプが光る

展示されていたデモは、ベルトコンベアに流れてくるブロックをカメラで認識し、機械学習で最適化を行い、不良品などの異常を検知すると上のパトランプが赤く光るというもの。これらのシステムは、実際に導入されたシステムを簡略化したものだという。

IoTデバイスハブ

システムの操作画面

担当者の方に話を伺ったところ、これらの機械学習とIoTを組み合わせたシステムは、製造業の顧客からの要望が高いという。今後、顧客企業の声を聞きながら多くの業種に展開していきたいと話す。

ジャストシステム

ジャストシステムのブースでは、5月10日に発表されたクラウド型営業支援システム「JUST.SFA」を展示。同システムは、顧客管理や、案件管理、商談管理、日報などの基本的な営業管理が行えるほか、売上状況や目標達成度をグラフ表示させる機能などを持っている。

各データやグラフをパネルとしてドラッグ&ドロップでダッシュボードに貼り付けられる特徴がある。また、選んだパネルは自動的に最適配置されるため、その都度画面を作り込む必要がない。パネルの作成などもノンプログラミングでカスタマイズできるなど、用途に合わせてカスタマイズすることができる。

JUST.SFAのダッシュボード

データはパネル間で連動しているため、任意の情報を選択すると、これらの情報に関わる他のパネル情報も切り替わる。例えば、顧客名を選択すると、その顧客に関する売上や訪問履歴などが瞬時に表示されるという。

さくらインターネット

さくらインターネットのブースでは、「さくらのクラウド」の活用例として、今後発売予定のエクストラン「ilbo(イルボ)」が参考展示されていた。

ilboは、移動式のお留守番カメラ。外出先や離れた場所から部屋の気になる場所にilboを移動させて、その場の映像をリアルタイムでチェックすることが可能。また、マイクとスピーカーを内蔵しているため、双方向音声通話が実現できるほか、複数のilboを1台のスマートフォン/タブレットで操作できる。

ilboとタブレットの操作画面

「さくらのクラウド」の活用例としてilboを展示

担当者不在でお話が聞けなかったが、「さくらのIoT Platform」の活用例も展示されていた

こちらのシステムのバッグエンドでさくらのクラウドが使われているという。同クラウドの特長は、共有型サービスで、複数台サーバー構成でもすぐ利用開始できる上、利用開始後の台数変更や設定変更も同じようにすぐ実施できる特長がある。

また、他のクラウドサービスと違いとして、料金体系が「月額・日割・時間割が可能」という点が異なるという。競合企業に海外企業が多い中、同社は日本国内の事業者であるため、もしなにかあった場合も日本国内の法律が適用される強みがあるとのこと。同社いわく、多くのオプションサービスも備えているため、会社の規模や利用規模に限らず、手軽にサービスを試してほしいと話していた。

アルテリア・ネットワークス

今回のアルテリア・ネットワークスのブースでは、「クラウドの守護神」と題し、アマゾン ウェブ サービス(AWS)や、Microsoft Azure、SoftLayerなどのパブリッククラウドと親和性が高い、セキュアなクラウド接続環境の実現に最適なソリューションを、プレゼンテーションやデモコーナーにて紹介していた。

VECTANT セキュアクラウドアクセスのシステム概要

「VECTANT セキュアクラウドアクセス」のクラウドサービスに、さくらインターネットの「さくらクラウド」が追加したことを5月11日に発表。

VECTANT セキュアクラウドアクセスは、クラウドサービスをインターネットを介さずに閉域網内で接続するのも。オンプレミス環境と同等の高いセキュリティを兼ね備えたシステム設計が可能だという。サービスは、専有型のみを用意し、6月の提供を予定している。

ソリッド システム

ソリッド システムのブースでは、CRMの新版「All Gather CRM V3」の先行発表を行ってた。All Gather CRM V3は、2016年7月のリリースを予定している。今回は、正式リリースに先駆け、最新バージョンを見ることができる。

All Gather CRM操作イメージ図(画面は現行版)

All Gather CRMは、日本の業務に最適化された国産の統合型CRMパッケージ。マーケティング機能や、グループウェア機能など同製品で営業活動が完結するような作りとなっている。

アップデート内容としては、Microsoft Office365の連携(スケジュールやメール)や新CTI基盤、新UIなど新機能が追加されている。現在、開発段階だとし、今後マーケティング機能の強化などを行っていくという。