ティントリは12月14日、都内で記者会見を開き、VMwareとの機能連携をさらに強化した仮想化専用ストレージ「Tintri VMstore(ティントリヴイエムストア)」の最新オペレーティングシステム(OS)「Tintri OS(ティントリ オーエス)4.1」と、オールフラッシュで構成した仮想化専用ストレージのTintri VMstore T5000オールフラッシュシリーズ「Tintri VMstore T5040」の発売を開始した。
最初にティントリジャパン職務執行者社長の河野通明氏は「年間で120億円程度の売上高を見込んでおり、事業は好調に推移している。グローバルで顧客数は1000社に到達する勢いであり、出荷製品に搭載されているVMの総数としては50万を超え、容量は50PB以上が稼動している。日本法人を設立した当初から大きく状況は変わっており、日本市場での認知は進んでいる」と述べた。
今回、VMwareとの機能連携として「Tintri Management Pack for VMware vRealize Operations(vROps)」と「Tintri vSphere Web Client Plugin 2.0」「vSphere Virtual Volumes(VVol)」サポートを発表した。Tintri Management Pack for VMware vROpsは処理速度、キャパシティ、構成管理を統合するVMwareのvROpsを使用し、Tintri VMstoreを含めた仮想インフラ環境を統合管理するための連携ツールとなり、仮想インフラ環境全体の相関関係の可視化やTintri VMstoreが有する情報と連携することで精度の高い分析が可能なほか、vROpsの単一インタフェースで包括的な運用管理が行えるため業務の簡素化が図れるとしている。
Tintri OS 4.1とTintri VMstore T5040の説明を行ったティントリジャパン技術本部SEマネージャーの鈴木宏征氏はTintri Management Pack for VMware vROpsについて「ダッシュボード上でTintri VMstoreと各VMの相関関係やストレージ全体の性能の使用状況、容量の使用状況、TOP10のVMリストなどがvRealize Operationsから一元的に確認できる。また、サマリー表示では何か問題が発生した場合に対処方法を事前にインプットすることができ、問題が発生した場合にRecommendationとして通知し、迅速に問題への対応が可能となっている」と語った。
また、Tintri vSphere Web Client Plugin 2.0はVMwareの管理ツールであるvSphere Web ClientからTintri VMstoreの管理タスクを実行するためのプラグインモジュール。Tintri VMstoreの導入・追加作業をWebインタフェースから一元的に管理することが可能だ。従来からのTintri VMstoreの管理とDatastoreの管理、VMの管理(稼動状況の可視化、Snapshot管理、クローン操作、Replication設定)に加え、新たにSyncVM(リストア拡張機能)に関連した操作への対応、手動QoS設定(Max IOPS値/Min IOPS値)、Role Base Access Control(RBAC)サポートを追加した。同氏は「Tintri UIで可視化される稼動状況のほか、スナップショット取得などが可能なため管理自体を一元化できる」とTintri vSphere Web Client Plugin 2.0について訴えた。
さらに、Tintri OS 4.1によりVMware vSphere搭載のストレージ管理技術であるVVolをサポート。vCenter経由による各種ワークフローをサポートするほか、VM単位の可視化やQoS(自動/手動)をはじめとしたティントリの特徴的な機能の利用を可能とし、VASA(vSphere Storage APIs for Storage Awareness:vSphere/vCenterがストレージ装置と連携し装置情報を取得するためのAPI)プロバイダーはTintri OSにビルドインされた状態で提供することに加え、同一のTintri VMstoreでNFSデータストアとVVolデータストアをサポートしている。
ティントリがvSphere VVolをサポートすることの優位性として「VVolは従来型ストレージの運用管理を改修するためのアーキテクチャでVVol構成にすればどのストレージを使用しても同じことができるのではないかと考えられるが、あくまでAPIであるため最大VVol数やVM単位の管理・性能の最適化などはストレージベンダーの実装に依存している。我々はVVolの有無に関わらずマルチハイパーバイザー環境でVVolと同等以上の管理性を提供するほか、仮想マシン単位のQoS、何千ものVMの収容と管理が可能だ」と鈴木氏は強調した。
一方、Tintri VMstore T5000オールフラッシュシリーズのTintri VMstore T5040は仮想環境での特定のワークロードに最適化されており、限られた用途に対しての小規模な環境にも導入しやすいエントリーモデルで価格は税別で2500万円。筐体は2U、論理実行容量18TB、最大VM数1500、ディスク構成は24×240GB SSD、コントローラがActive/Standby、コントローラ間内部インターコネクトはNTB(Non-Transparent Bridge)、消費電力は455Wとなる。