キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は10月21日、金融機関を対象に「Salesforce」を活用した法人営業支援システムを開発し、10月末より提供を開始することを発表した。

法人営業支援システムの概要図

生命保険会社の法人営業部門では、営業活動の効率化と顧客満足の向上の両立が課題となっているという背景から、同社では生命保険業界のニーズに対応するために、「Salesforce」を活用した法人営業支援システムを開発した。新システムは、法人向け営業活動で培ってきた同社の販売・マーケティングノウハウを基に開発したもので、コンサルティングからシステム導入後の運用支援、システム活用の定着化、システムの障害対応までをトータルで提供していくとしている。既に先行して、三井生命保険と明治安田生命保険がシステムを導入している。

新システムは、「Salesforce」を基盤とし、営業プロセスの可視化と情報の一元管理により営業活動を効率化、最大化することを目的としている。これまで個別のシステムで管理していた法人情報や活動情報、顧客情報を集約し、営業の活動状況がリアルタイムに把握できるようになる。

また、オフィス複合機やスキャナ、名刺管理システムなどのシステムとも連携が可能となっており、クラウド帳票印刷サービス「Canon Business Imaging Online」との連携では、「Salesforce」の標準画面から、提案書や報告書などの帳票に変換し、目的に応じた最適なレイアウトで出力することが可能となっている。生成する帳票のフォーマットは簡単に変更ができるため、金融業界に限らず、利用することができるという。

「Salesforce」標準の顧客管理画面例

「Canon Business Imaging Online」で生成される帳票例

そのほかの機能としては、顧客の組織マップに各担当者の趣味などの情報も記載した部署ごとの「人脈マップ」を生成する機能も用意されている。

システム導入の効果として、端末や場所を選ばずに、活動状況の参照や更新が可能となるため、営業担当者の活動報告頻度の向上が見込まれる。また、社内用の資料作成や名刺情報の登録などの手間を減らすこともできることから、業務の効率化につなげられる。管理職は、営業成績状況をリアルタイムに把握することができるため、早期に営業戦略方針を決定することができるようになる。システム管理者は、項目追加や画面修正をマウス操作で変更できるため、開発工数を抑えることが可能となる。

キヤノンMJ自体、2008年から法人営業支援ツールとして「Salesforce」をシステム導入し、ITソリューション事業を強化してきたという背景もあり、同社のノウハウも含めたソリューション提供を行っていく構えだ。

キヤノンMJグループは今年から3カ年計画「中期経営計画」を開始しており、ソリューションビジネスの強化・拡充をビジネスソリューション事業の成長戦略の一つとして掲げている。今後、「Salesforce」を活用したCRMの構築や個別開発、入出力・文書管理基盤のドキュメントソリューション、自社データセンターを活用したパブリック・プライベートクラウドの拡張などを推進していくとしている。