大手ものづくり企業ならではの課題とは

そんなCADENASが、あらたに展開している「PARTsolutions」というサービスがある。これは大手ものづくり企業がかかえるある課題を解消するためのものだ。

まず大手ものづくり企業においては、設計者数が100名、1000名を超える場合も珍しくない。それだけ数多くの設計者が、勝手に好きな部品を見つけて来て設計させればとてつもない費用負担が発生するため、当然、PLMやPDMなどのシステムの導入をすることになるが、ここに様々な課題がある。

まず、設計者が見つけることができるのは、PDMシステム内に登録された部品だけ。つまり、市場に出回っているほぼ無限の部品がある中、検索できる部品は、その数百万分の一、数億分の一の部品しかない。網羅性のないデータベースには意味はなく、この状態ではPDM自体が使用されず、設計者が外界の情報の海でこぎ出すことになる。そして、膨大な時間が消費された上、あるいは同等スペックの部品を既にほかの設計者が使っていたとしても、別の新規部品を選んでしまうかもしれない。

アメリカの約500社の企業を調査した結果、1日の勤務時間のうち1時間強は情報探しをしている※2015 ENGINEERING DESIGN EFFICIENCY REPORT より

またPDMシステムなどのメインの役割は、所属する設計者が各自設計した設計データの管理になるが、その検索機能には、どうしても限界がある。検索時に使える検索機能は、Meta情報、つまりはテキスト検索だけ。品番や部品名称、設計者名など、各属性で検索しようとするが、これらで検索できるのは誰がどんな部品設計をしたかをおおよそ把握していなければ無理だ。隣の設計者が、または、別の部署の設計者がどの様な部品を設計しているかがわからないなか、本当に欲しい部品を見つけ出す事は不可能といっていい。

さまざまな効果が期待できる「PARTsolutions」

これらのPDMシステムなどの問題を解決、補完するのが、網羅性をもつデータベースと独自の形状検索機能とを持つ「PARTsolutions」だ。データベースは、すでにJIS部品などの数多く完備しているし、専業部品メーカー各社の市販部品に関しては、「PARTcommunity」で配信されている整備された膨大なデータも完備されている。これだけで3D CADデータを探す時間が大幅にカットできる。

検索においては、テキスト検索という単一の手法だけに頼るのではなく、"形"だけの情報から"過去に設計した似た形状の部品"を見つけ出すオリジナルの形状検索機能を有している。これにより、瞬時、または数秒で、膨大な数の過去図面の中から似た形のモデルを見つけ出す機能を実現しており、バージョンを追うごとに、そのアルゴリズムも改良されている。これが各自設計したデータを検索する際に威力を発揮する。

CADENASの持つ特殊検索機能のうちの一つ「2Dスケッチ検索」。イメージした絵(ポンチ絵)とトポロジー検索の組合せによる検索ができる。これにより、非CADユーザ(設計部門以外、購買や管理部門など)もCADデータの検索を利用できる

「PARTsolutions」は、PDMシステムなどの課題を補い、更にユーザーの社内システムと統合して使用することもできる。つまりは、既に採用実績のある部品なのか、そうではないのか、採用実績があるのであれば、その購入価格や社内在庫数はどうなのか、などを見える化できる。

そして効果は、多岐にわたる。設計自体の効率化ももちろん、管理部門のシステムの簡素化、購買システム、ERPシステムと「PARTsolutions」の連携により実現する手間の削減。部品点数の削減による無駄な新規部品増によるコストアップや、個別購買を削減することによる集中購買・開発購買の促進。さらには情報、データの正確性を格段にアップさせることによりテキスト検索だけでもその検索性を向上させる効果もある。

多品種少量生産、短期サイクルが要求される現在の環境下での市場ニーズ変化に素早く対応できないと"売れるべき製品"ボリュームが激減してしまう厳しい環境の中を勝ち抜くには、かなり有用なサービスではないだろうか。また、グローバル化の競争下で"調達可能な部品"を正確に知ることができるのも大きなメリットだ。実際、Industry4.0などをうたうドイツでは、部品管理やコストの最適化に注力するパーツマネージメントの意識が高くなっており、これらサービスの引き合いは強い状態だという。CADENASとしても、ビジネスとしての側面はもとより、より日本のものづくり業界の成長を早めていきたいと願い、このサービスの浸透に務めていくそうだ。

「PARTsolutions」をはじめとした同社の各種ソリューションに関しては、2015年6月24~26日に東京ビッグサイトで開催される「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS)」 に出展される同社ブースにおいて展示される予定だ。CADデータの有効活用をしたいサプライヤや膨大な部品データの管理に関心をお持ちのものづくり企業の方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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