2014年1月に適用された白色申告の記帳義務化。今度の確定申告からは個人事業主でも帳票を作成する必要があり、これまでの確定申告と比べてその負担は3、4倍にも感じるだろう。そんな人達の強い味方になってくれるのが、会計ソフトの第一人者・弥生が提供する「やよいの白色申告オンライン」だ。実際に体験してみたので紹介しよう。

「やよいの白色申告オンライン」の基本

「やよいの白色申告オンライン」

2014年に始まった白色申告の記帳・帳簿などの保存制度。これまで青色申告にのみ課せられていた帳簿や書類の作成、保存などが、白色申告事業者にも義務としてのしかかってくる。

具体的には収入、経費、経費の項目、取引の年月日、売上先、仕入先などを帳簿として管理しなければならない。また銀行やクレジットカードの取引明細、領収証類なども併せて保管し、管理する必要がある。これらには保存期間が設けられており、法定帳簿で7年、任意帳簿と領収証や請求書といった書類は5年の期間、保存管理が義務付けられている。

もちろん青色申告とは違い、簡易なものでも許される。書式が決まっている訳ではないので、自分のやりやすいように帳簿類を作成することもできる。しかし、それでもこれまで不要だったものまで作るとなれば、その負担増はもちろん、精神的にもプレッシャーを感じる人は多いだろう。これらの負担のすべてを考えれば、せめて売り上げや経費といった基本的な帳簿類は、ソフトウェアを導入するなどしてある程度自動化してしまうのが得策だ。

そこでオススメしたいのが、白色申告用のソフトウェア。中でも、2014年1月に提供を開始した「やよいの白色申告オンライン」は、会計ソフトの第一人者である弥生が提供しているだけあって定評のあるサービスといえる。また、このサービスの特長として、PCでネットに接続して弥生のサーバー上にあるソフトウェアにアクセスして操作する、いわゆるクラウド型のサービスという点が挙げられる。

どこからでもアクセスできるクラウドのメリットを活かして、自宅で、お店で、事務所で、ちょっとした空き時間を利用して、サッと経理処理をするにはとても好都合なのだ。さらに売り上げ、仕入・経費という会計の基本を凝縮したシンプルな機能は、経理が苦手というユーザーでも敷居を高く感じさせない作り。お小遣い帳的な感覚で操作できるため、入力も苦にならない。確定申告に必要な書類や帳簿類まで作成できてしまうのだから、使わない手はないだろう。まさに、日々の仕事に追われる働く社長&店長の強い味方といえるサービスなのだ。

基本機能などはこちらでも紹介しているので、併せてご確認頂ければと思う。2014年末まで完全無料のキャンペーンを実施している。

シンプルな画面も魅力の1つ。基本的に「売上の入力」と「仕入・経費の入力」のタブにそれぞれ必要事項や金額を入力していくだけだ。経理が苦手な人でも、これなら大丈夫!

確定申告に必要な書類はウィザード形式で作成できる。案内に従って各項目へ入力していけば、書式に沿った印刷まですべてが完了。分かりやすいインタフェースで、毎年のストレスから開放される

追加機能で何が変わった? さらに便利に使える「スマート取引取込」

「やよいの白色申告オンライン」の良さは基本機能だけに留まらない。2014年7月に、銀行、クレジットカードなどの取引明細を、自動で取込、自動で仕訳する機能「スマート取引取込」が追加された。「スマート取引取込」は、「MoneyLook」「Zaim」などの資産管理サービスを「やよいの白色申告オンライン」と連携することで、「MoneyLook」や「Zaim」で記帳管理していた口座を、「やよいの白色申告オンライン」へインポートできるのだ。

経理処理上、銀行口座の出し入れの管理は会計において大切なもの作業の1つ。これまで口座やクレジットカードの決済状況などを「MoneyLook」や「Zaim」のような外部ツールで管理していたのなら、それをそのまま利用できるのは大変便利だろう。手書きで口座管理をしていた人なら、その大変さと共にどれほど労力を減らすことができるか分かるはずだ。通帳を1行1行書き移すうっとしい作業から開放されるのだから、ぜひ使ってもらいたいサービスだ。

例えば、職種によっては銀行口座の名目がとても細かい場合もあるだろう。得意先がたくさんあったり、個人の顧客を相手に口座を使ったりするようなケースでは特に負担は大きくなる。またこの連携機能を使うことによって、記帳の度に直接銀行へ出向かなくても済むようになる。資産管理サービスをすでに使っている人はもちろんだが、まだの人はこれをきっかけに使ってみて、その効率性の高さを感じてみてはいかがだろう。

「スマート取引取込」で現在使える外部サービス「MoneyLook」と「Zaim」。人気のサービスなのですでに使っている人にはうれしい追加機能だ。まだの人はこれをきっかけに、どちらかのサービスを使ってみてはいかがだろうか

MoneyLookの認証画面(出典:弥生、以下同)

取り込む金融機関の口座を設定する

外部サービスから取引が取り込まれる

自動仕訳された内容を確認する

やよいの白色申告オンラインへ送信する

やよいの白色申告オンラインに取り込まれている

追加機能で何が変わった? スマホから入力ができる「biznote for やよいの白色申告オンライン」

「やよいの白色申告オンライン」は、スマートフォンからも入力が行える。やり方は簡単で、無料配布している「biznote for やよいの白色申告オンライン」アプリをダウンロード&インストールするだけ。あとは、いつも使っているIDとパスワードがあれば、スマートフォンのアプリから、直接仕入や経費、売り上げなどを書き込めるようになる。

「やよいの白色申告オンライン」と同様、入力項目が少なくかなりシンプルな出来。慣れてしまえば、普段の入力作業は「biznote for やよいの白色申告オンライン」が主力、などという人も出てくるだろう。

このアプリの場合、スマートフォンという使い慣れたデバイスで会計作業ができるだけでなく、いつでもどこでも経理上の処理ができるメリットが生まれる。例えば仕入れ先で直接その日に購入した部材の値段や科目を入力するクセを付ければ、それだけ経理処理の効率が上がる。また、忘れがちな会費や接待費のような経費も、その場で入力すれば領収証を見て「これって誰と商談したんだっけ? 接待で良かったんだっけ?」などと、遠い過去を思い出す苦労も無くなるのだ。

アプリをダウンロード

入力項目はとてもシンプル。スマートフォンを使っての作業も苦にならない

追加機能でさらに使い勝手が良くなった「やよいの白色申告オンライン」

そのほか、「やよいの白色申告オンライン」はTwitterでつぶやくだけで入力できる機能があったり、自動仕訳の精度が高くなっていったりと、さまざまな面で「使いやすさ」を追求したサービスとなっている。弥生では、本記事で紹介した追加機能の他にも、連携サービスや対応ソフトは順次拡大されていく予定としている。

資産管理ツールとの連携やスマートフォン対応など、ますます便利になった「やよいの白色申告オンライン」。また、年内発売予定の「やよいの青色申告オンライン」にもデータ連携できるそうで、青色申告への移行を検討している人にもうれしい。白色申告の記帳義務化で悩んで居る人は、同サービスを使って手軽、簡単に提出書類を作成し、確定申告をスムーズに乗り切って頂きたい。