Texas Instruments(TI)は8月11日、基板実装面積の低減と電力変換効率の向上を実現する、集積型3出力同期整流降圧DC/DCコンバータ「TPS65261/65262」2品種を発表した。

同製品は、最大96%の電力変換効率を実現しており、デジタルTV、セットトップボックス(STB)、家庭用ゲートウェイとアクセスポイントネットワーク、ワイヤレスルータ、POS機器や監視用機器などの用途に最適であると同社では説明している。具体的には、入力電圧範囲が4.5V~18Vと広く、5/9/12/15Vなどの電源バスや電池からの中間バス電圧の供給が可能。また、定周波数のピーク電流モードにより、設計の簡素化とシステムの最適化を実現している。さらに、0.6Vのフィードバック用リファレンスにより、低出力電圧を必要とするプロセッサ製品に対応している。加えて、自動パワーアップ/パワーダウンシーケンス機能を内蔵し、電源制御を簡単にした。

そして、「TPS65261」は、 出力電流10mA時に82%の軽負荷時変換効率を実現し、定格電流3A/2A/2Aの3出力を提供する他、パルススキップ機能を内蔵し、250kHz~2MHzの可変スイッチング周波数範囲をサポートする。この他、強制連続電流動作向けにはパルススキップ機能なしの「TPS65261-1」が用意されている。「TPS65262」は、固定スイッチング周波数が600kHzで、定格電流3A/1A/1Aの3出力を提供するのに加え、出力電流200/100mAのリニアLDOレギュレータを内蔵し、基板レイアウトを簡素化する。さらに、より高い出力電流を必要とするデジタルマルチメディア機器向けには、出力電流350/150mAのLDOを内蔵した「TPS65262-1」もラインアップされている。

なお、パッケージは、前世代製品と比較してサイズを44%低減した5mm×5mm×0.9mmサイズの32ピンQFN。価格は1000個受注時で「TPS65261」が1.90ドル、「TPS65262」が2.05ドル。すでに量産出荷を開始している。また、「TPS65261EVM」や「TPS65262EVM」などの評価モジュールも供給中。

集積型3出力同期整流降圧DC/DCコンバータ「TPS65261/65262」