富士通は、組み込みシステムやソフトウェアの開発における設計工程のトレーサビリティを実現するソフトウェアパッケージ「FUJITSU Manufacturing Industry Solution PLEMIA SQ-Tracer V3」を6月25日より販売開始すると発表した。本製品は、富士通システムズ・ウエストが開発した。

自動車や医療分野では、電子制御システムやソフトウェアに欠陥があった場合に人命に関わるほどの大きな被害が予想されるため、製品や機器に対して高い品質と安全性が求められ、国際標準規格が定められており、開発プロセスの設計内容を文書として残し、トレーサビリティを確保することが義務付けられている。

今回、操作性の向上やトレーサビリティの見やすさを追求するほか、医療分野への販売を強化する。

新バージョンでは、ExcelやWordで作成された設計書だけでなく、モデリング言語を活用して設計した「モデルベース開発のモデルファイルとも連携する機能を搭載。これにより、モデルファイルと他設計文書との関連付けが容易にできる。

また、設計文書間や設計要求単位のリレーション状態を、マトリクス帳票に出力する機能を搭載。関係性が俯瞰的に一目でわかるため、設計途中のレビューや監査の際に、出力した帳票を用いて、トレーサビリティの抜け漏れを確認できる。

設計文書の取り込みとトレーサビリティ帳票の出力イメージ

さらに、「PLEMIA SQ-Tracer V3」上で設計書を一元的に管理しているため、開発に携わっている複数の企業間でのデータ交換において、開発プロセスと設計文書のデータを一括して送受信できる機能を新しく搭載。これにより、取引先から受領した詳細設計書やテスト結果などの成果物一式をまとめて自社の環境に取り込むことができる。

価格は、280万円/10固定ライセンスから 。