ノークリサーチでは3月10日、PCサーバー市場の販売チャネルと導入実態、エリア分析に関する調査を行い、結果を発表した。

同社では、PCサーバの出荷調査について、年4回の聞き取り調査を行い、市場規模を推計分析している。ベンダーイメージ調査は全国の中堅・中小企業のIT担当者を対象に、2013年9月に郵送アンケートで実施。同調査の有効回収数は727件。

国内PCサーバ市場推移

調査によると、PCサーバ市場は大きな転換期を迎え、企業保有から外部アウトソースとなるDCへシフト(クラウドも含む)の潮流が明確になりつつあり、自己保有としてPCサーバが「DCへアウトソース」として利用する流れが勢いを増しつつある。

PCサーバメーカシェア出荷台数推移

PCサーバの2013年度におけるメーカシェア出荷台数はNECが上半期24.3%、下半期24.0%、富士通が上半期22.4%、下半期22.0%と圧倒的な販売パワーとサポート体制を誇るNECと富士通が出荷シェアを支える販売チャネルとなっている。

地域別PCサーバ設置台数構成比

PCサーバの設置については、2003年以降に出荷されたPCサーバは294万台設置と推定され、その内訳は民間で54.0%、公共11.4%、データセンター31.4%。地域別の設置割合は、東京が27.5%とトップ、東京都及び関東で48.5%とほぼ半数が首都圏に設置さている。東京市場では民間企業の高い設置比率、特にDC向け設置が東京の実績をさらに高めている。

データセンターへのPCサーバ設置は、2012年度商用データセンターのPCサーバ設置台数が92万4,950台と推定され、その比率は31.4%。東京が全体の48.8%と約半数を占めている。さらに東京と関東を合わせると全体の75.2%となり、大型センターの多い首都圏に約7割に偏在。しかし、クラウド普及での分極化を見越して地方への期待は大きい。

また、中堅・中小企業の情報システム担当のITベンダー評価については、導入経験のあるPCサーバベンダーへの評価が高く、「総合的に見て、あなたの企業にとって必須と思われるIT企業は」という質問に対する回答は富士通15.7%、NEC15.0%で、1、2位の順位が中堅・中小企業の情報システム部門における、良いイメージのベンダー2社という、導入実績に応じた結果となった。