日本HPは、グラフィックス仮想化ソリューションに対応するシンクライアント「HP t820 Thin Client(以下、t820)」を11月7日から販売開始すると発表した。

グラフィックス仮想化ソリューションは、GPU(Graphics Processing Unit)を仮想化することで、CADや地図アプリケーション、レントゲン等の高精細画像、負荷の高いシミュレーションやゲーム制作などがリモートから利用可能になるソリューションで、機密性の高いデータを集中管理できるほか、高価なGPUを共有してコストを削減するなどのメリットを得られる。しかし、容量が大きくリアルタイム性が求められるデータを画面転送し表示させるためには、端末側に高い処理性能が求められる。

「HP t820 Thin Client」

新製品「t820」は、CPUにIntel Core i5-4570Sプロセッサー(4 Core)を採用することで、従来モデル「HP t610 Thin Client」と比べ約8倍の高いパフォーマンスを実現し、要求スペックの高いグラフィックス仮想化ソリューションに対応。

また、TPMセキュリティチップとNIST(アメリカ国立標準技術研究所)準拠BIOSを搭載、インテルvProをサポートし、ウイルスやマルウェアからの防御、リモート監視などのソリューションを実現し、セキュリティ機能を拡充、安全性を高めた。

さらに操作感に影響を与える、パケットロスや遅延のあるネットワークにおいて、快適なレスポンスを実現する「HP Velocity」をサポートし、生産性を落とす事なく海外など離れた拠点へも安心して導入可能。プロトコルのアップデートなど、端末の各種設定変更をリモートから集中管理可能な「HP Device Manager」ソフトウェアにも対応。

高性能グラフィックスや多画面へのニーズが高い金融、製造、建設、医療といった分野をはじめ、大学などの研究機関、CG制作などの業務にも最適な製品となっている。販売価格は「HP t820 Thin Client(16G Flash/4Gメモリ/内蔵グラフィックス)」が11万3,400円、「HP t820 Thin Client(16G Flash/4Gメモリ/AMD Radeon HD7560A)」が12万3,900円。