ソニー本社ビル

ソニーは8月6日、ヘッジファンドの米サードポイントから受けていたソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)の一部株式公開案を拒否し、100%所有し続ける返信書簡を送付したと発表した。

同社によると、エンタテインメント事業を100%所有し続けることがソニーの将来において重要な要素であり、ライツオファリングや公募によるSPEの株式公開は、技術的な収益力の強化と株主価値向上を達成するための戦略と相容れないとしている。

また、今回の発表にあたり、ソニーはサードポイント CEOのダニエル・ローブ氏に宛てた内容を公開した。一部内容は以下の通り。

  • 社外の財務/法務アドバイザーなどと15~20%のライツオファリングや公募について検討を行った。

  • 全会一致でエンタテインメント事業の100%保有継続を採択した。

  • One Sony戦略を実行するにあたって、エンタテインメント事業の収益力向上を図っていく。

  • エレクトロニクス事業は再生に向けた施策が過去1年で大幅な進捗を見せており、Xperia、カメラ、PS4は非常に高い評価を受けている。TV事業も黒字化を達成するなど計画通りの状況である。

  • 金融事業は非常に安定しており、今後も安定的な収益拡大とソニーブランド強化に貢献する。

  • コンテンツ配信事業は、新たなプラットフォームやモバイル端末の普及によって需要がこれまでにないレベルで増大しており、ソニーみずから価値を創出できる立場にある。株式を100%保有しているからこそ、ソニー株主の共同利益に繋がる。

  • エンタテインメント事業を完全に所有することで、グループ内協業が加速し、シナジーが促進される。コンテンツ/テクノロジー/民生用、業務用機器は急速に融合しており、エレクトロニクスを成長させる相互作用が見られると考えている。

  • SPEはみずからのキャッシュフローによって事業運営と投資に資金を利用しており、その他事業への供出も行われていない。

なお、ソニーでは今回の提案による情報開示の必要性を重要視し、2013年度第2四半期決算より、エンタテインメント事業について情報開示をさらに充実させていくとしている。