東京都・新宿区のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]では、携帯端末でAR技術を使った作品を鑑賞する展覧会「もの みる うごく AR美術館」を開催している。開催期間は9月1日まで(月曜、8月4日は休館)、開場時間は11:00~18:00。入場は無料。

大石暁規《スマイル・ワールド》2013年

北村穣《モーメンツ・オブ・ブルーム》2013年

同展は、パネルや立方体に描かれた絵画に携帯端末をかざして鑑賞するもので、作品体験用の端末は会場で貸し出しを行っている。展示されている絵や写真やイラストを携帯端末のカメラを通して見てみると、イラストが動き出して物語のように見えたり、写真の花のつぼみが咲いたりする。そのほか、小さなキャラクターが集まって違った形に見えたり、絵本の挿絵が動き出したり、四角い箱が不思議な動きをしたりするなど、現実の世界に、実際には見えていないもうひとつの世界を重ね合わせている。一般的には、カードの上にキャラクターが現れるなど、現実の光景に電子的な情報を付加して表示させることが多い「AR」だが、ここでは、現実そのものを変えてしまう新しいARとして「変容現実(Alternated Reality)」と呼んでいる。

赤松正行《ウロボロスのトーチ》2012年

白鳥啓、バク・ヨンヒョ、向井丈視《ARの国のアリス》2013年

また、8月3日にはアーティストトーク「リアリティをめぐる100万回の冒険」が開催される。脳科学者、SRシステム開発者の藤井直敬をゲストに迎え、赤松正行+ARARTプロジェクト(北村穣、白鳥啓、大石暁規、向井丈視、バク・ヨンヒョ)が出演する。定員は150名(高校生以上)、当日先着順で入場は無料。18:30から、会場はICC ギャラリーA。RealPlayerUstreamでもインターネット中継される予定になっている。

なお、同展は、ICCが毎年夏に開催するキッズプログラムとして開催するもので、子どもから大人まで楽しめる展覧会となっている。