キリンビバレッジの『午後の紅茶』といえば、ペットボトルの紅茶のトップブランドですが、そのラベルには謎の貴婦人が描かれています。このご婦人はいったい誰なのでしょうか。キリン株式会社 CSV本部 コーポレートコミュニケーション部 広報担当の鈴木雄介さんにお話を伺いました。
パッケージの女性は「アフタヌーンティー」を広めた人物?
――午後の紅茶のラベルには、謎の貴婦人が描かれていますが、この人は誰なのでしょうか?
7代目ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリア(1788~1861)さんです。
――実在した人物だったんですね。なぜこの人が描かれているのでしょうか。
アンナ・マリア公爵夫人は、アフタヌーンティーを広めたといわれています。日本にも紅茶の本場イギリスの習慣を根付かせたい。そんな思いを込めています。
※アフタヌーンティーは現在に受け継がれているイギリスの風習です。サンドイッチなどの軽食、お菓子をお茶請けに紅茶を楽しみます。女性の社交の場として広まったといわれています。
――かなり細かいところまで描かれていますよね。このデザインは誰が行ったのでしょうか?
はい、当時の貴族の装いや風俗を参考にしてイラストが描かれています。1986年の開発当初の基本となったデザインは、大智デザイン事務所主宰の大智 意(おおち こころ)さんによるものです。
――発売以来、ずっとこのイラストは変更されていないのでしょうか?
いえ、イラストは当初はパッケージのラベル側面に描かれていました。おかげさまで商品が大ヒットしまして、正面に描くようになりました。また、イラストも2008年にリニューアルいたしました。より親しみやすい印象を与えるように変わりました。
――なるほど。確かに明るい感じになっていますね。ありがとうございました。
あの謎の貴婦人は、アフタヌーンティーを広めたとされるアンナ・マリア公爵夫人でした。アンナさんも、死後125年以上たってから、日本で自分の肖像画が描かれた商品が販売されるなんて、思いもしなかったでしょうね!
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(高橋モータース@dcp)