人を伸ばすなら叱るより褒めよ ― 褒めること、認めることの大切さはあらためて説明するまでもないだろう。では、褒めることの効果はどれほどなのか ― 従業員の作業や手柄を積極的に認める企業とそうしない企業の業績を比べると、褒める企業はなんと12倍も好ましい業績を出す確率が高いという。今回はIncの記事「褒めることの効果、ありがとうの一言が持つパワー(原題:The Power of Praise:"Thank You" Goes a Long Way)」から具体的な褒め方のポイントを紹介したい。褒めることの大切さはわかっていても、効果的な褒め方がわからないという人は必読だ。

米国の調査会社Bersin&Associatesによると、従業員を認めることで、社員の関与の度合いや姿勢、生産性、顧客サービスは14%も改善するという。つまり、認める文化を会社のDNAにすればよいということになる。

では具体的にどのように褒めるとよいのだろうか? Incの記事では以下の3つのアドバイスを行っている。

1. 何に対する賞賛なのかを明確に

単に「ありがとう」と言われるだけでもうれしいし、モチベーションが上がる。だが、さらなる効果を狙うなら、一歩進んだ褒め方がある。「よくやってるね」「ありがとう」という一言よりも、その人がやった作業を明確にして「○○はうまくいったね」「××をやってくれて、たすかったよ。ありがとう」などと"カスタマイズ"をしてみよう。効果倍増かもしれない。

2. どうやって伝えるか、自分たちのチームを知る

いつ・どのように「ありがとう」を伝えるかも見直しポイントとなる。次回の社内面談までとっておいたとして、場合によっては記憶が遠くなっておりインパクトが薄れるかもしれないし、その時がベストタイミングとなるケースもあるだろう。面談よりもみんなの前で褒められたいという人もいる。その人によって反応は違うので、あなたが上司であればなおさら、部下の個性をよくつかんでおきたい。

3. 会社全体で「ありがとう」カンパニーを目指す

「ありがとう」は全社で取り組む方が良い。グループや部署などあなたが属するところのトップに提案し、全員で認め合うこと、褒めることを奨励しよう。社内会議で写真や動画、顧客からのコメントを入れたプレゼンを用意してスタッフのモチベーションを高めているところもあるという。参考にされてはいかがだろうか。