科学技術振興機構(JST)とジー・サーチは5月23日、JSTの文献情報提供事業の業務をジー・サーチに移管する契約を締結したと発表した。これまでJSTが提供していた「JDream」などの文献情報提供サービスは、2012年度末からジー・サーチが行うことになる。

JSTは2010年に政府の事業仕分け対象機関になっており、JDreamをはじめとする「科学技術文献情報提供事業」については「事業の実施は民間の判断に任せる」とされた。また、同年12月に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」では、「科学技術文献情報提供事業については、平成23年度中に引受け手となる事業者の選定を開始し、平成24年度中に民間事業者によるサービスを実施する」ことが記載された。

このような経緯から、JSTでは事業者の公募を実施し、その結果、ジー・サーチが優先交渉権者として選ばれて今回の事業契約締結となった。

移管されるサービスは、JDream / 科学技術文献速報 / SDI / 解析可視化サービス(AnVi seers)。JDreamは、科学技術や医学・薬学関係の文献情報を検索できるサービス。科学技術文献速報は、JSTが収集した科学技術資料から、最新記事データや要約を分野別にまとめて提供するというもの。SDIは、特定のテーマにおける最新文献情報を定期的に検索して届けるサービス。解析可視化サービスは、科学技術文献データをグラフやマップにして提供するという内容になっている。

JSTの文献情報提供サービスは調査・分析の情報源として、企業、大学、病院などで広く利用されており、移管後も従来と同等のサービスを提供するという。また、ジー・サーチが提供する学術文献などのドキュメントデリバリサービスとの融合も予定されている。