IDC Japanは5月22日、国内自動車駆動用蓄電池市場動向を発表した。これによると2011年下半期(7月~12月)の国内自動車駆動用蓄電池市場(国内向け出荷市場)は、前年同期に比べ82.0%増加し609億円、出荷容量は71.1%増加し1,002MWh(メガワット時)だった。

蓄電池の種類別では、ニッケル水素蓄電池が前年同期に比べ1.6%増加し303億円だったのに対し、リチウムイオン蓄電池は前年同期に比べ730.9%増加し306億円と、国内自動車駆動用リチウムイオン蓄電池市場の規模は半期ベースで初めてニッケル水素蓄電池を上回った。

2011年下半期は、東日本大震災からの生産回復が進む一方でタイの洪水による自動車部品の供給停止などによりHV(ハイブリッド)自動車の生産が影響を受け、HVが主に採用しているニッケル水素蓄電池の成長はわずかだった。

一方、2011年に本格的な市場形成期を迎えたEV(電気自動車)の生産は災害の影響は軽微でEVが採用するリチウムイオン蓄電池の需要を大きく引き上げた。これにより2011年下半期の国内自動車駆動用蓄電池市場規模は全体として拡大したと同社では見ている。

同期の同市場のベンダー別シェアではプライムアースEVエナジーが2011年上半期(1月~6月)に引き続き首位を獲得した。2位はオートモーティブエナジーサプライ、3位はパナソニック(三洋電機含む)となった。

2012年上半期の同市場は、東日本大震災およびタイ洪水の被害から完全復活に向かい前年同期比で127.2%の増加、市場規模911億円、出荷容量ベースでは前年同期比で127.3%増加し1,482MWhと予測されている。

蓄電池の種類別では、ニッケル水素蓄電池が前年同期比71.7%増の381億円、リチウムイオン蓄電池は前年同期比195.7%増の530億円と予測されている。

国内自動車駆動用電池市場予測(2011年~2016年) 資料:IDC Japan