ヴイストンは10月24日、主に高齢者の介護予防と成人の運動不足・肥満解消のため、日々の運動習慣形成をサポートすることを目的とした小型ロボット「トレロ」を発表した(画像1・2)。開発には、中京大学情報工学部機械情報工学科の種田行男教授と、愛知みずほ大学大学院人間科学研究科の山根基講師の研究成果が導入されている。

トレロを正面と側面から。レッサーパンダをイメージしており、とても愛らしい顔つきをしている。老若男女問わずにかわいいと思えるデザインだ。動作は、手足、首が動くが、コストダウンのために極限まで軸数を削っているため(もちろん体型的なものも大きいが)、人とそっくりの動作というわけにはいかない

トレロは、一緒に楽しく利用者に体操をしてもらうことを主眼に置いて開発された。本体のデザインは、かわいらしく親しみが持てるようにレッサーパンダをイメージし、20cm弱の身長。体操の支持をしつつ、「がんばれ」「お疲れ様」などの励ましの言葉を投げかけてくれるロボットである。

体操の指導にロボットを使うのかという点は、種田教授と山根講師の研究成果による結果だという。高齢者を対象に体操をプログラミングした小型ロボットを利用して、体操をどれだけ継続できるかの実証実験を行ったところ、1年間を通じてロボットを利用した方がより体操をしやすいという結果が出たそうである。

これは、ロボットの存在感が利用者に体操の実施を誘発したと考えられるという。実際、利用者からはロボットに対してパートナーとしての強い愛着を感じられ、そのことが継続につながったという意見も出たそうだ。

トレロの特徴は、自由度数は表現度数を残しつつも極限まで絞り、脚・首の屈伸軸、両腕の開閉軸の2軸構成となっており、大幅なコストダウンを実現したこと。現時点で即販売開始というわけではないが、一般家庭への普及を想定しており、販売価格は1万円以下、初年度の販売台数は1万台を目指しているとした。

なお、スペックは以下のとおり。

  • サイズ:身長185mm×幅110mm×奥行き70mm
  • 重量:297g(バッテリ搭載時)
  • 自由度数:2(うなずき・屈伸軸×1、両肩ロール軸×1)
  • 電源:単4電池4本
  • 構成素材:ABS
  • 搭載入出力:ボタン(動作開始用)×1、音声出力、LED