Umbracoが次バージョンの自動スケール機能を披露

キーノートの後半には、CMSのオープンソースプロジェクトOrchardとUmbracoが登場した。

Microsoftが支援するOutercurve FoundationのASP .NET Open SourceのCMSプロジェクトOrchardは、2011年4月11日に「Orchard 1.1」をリリースした。管理インタフェースがよりクリーンなデザインに改められ、設定レシピによるサイトの自動セットアップ、モジュール/テーマの導入プロセスの改善など、ワークフローの使い勝手の向上が図られている。

キーノートのデモは「春になったら花を植える人が増える。そのチャンスを逃さないようにWebMetrixを使ってオンラインストアを構築」というシナリオ。空白のOrchard CMSサイトを作成して花に適したテーマを導入、製品リストを整え、Eコマース機能(Amazon Checkout)や顧客フィードバック機能のモジュールを加えて公開した。スピーディかつ柔軟なワークフローをアピールした。

WebMetrixのWeb GalleryでOrchard CMSを選択

サイトの機能や設定、オプションが自動的にセットアップされるOrchardレシピ。選択肢は標準、ブログ、ミニマムの3つ

空白状態のOrchardサイト

Bind Tuningでカスタマイズしたテーマを導入。簡単に花屋サイトの体裁が整った

Dashboardでモジュールを選択し、Amazon Checkoutのモジュールをインストール。v1.1ではAmazonのほか、UserVoice、DISQUSなどのモジュールが追加された

UmbracoのCMSは、小規模なサイトからFortune 500企業まで、8万5,000以上ものWebサイトで採用されている。Azureプラットフォームの長所を活かしたスケーラビリティが大きな特徴の1つで、2011年4月12日には「Windows Azure Accelerator for Umbraco」のバージョン1.0がリリースされた。キーノートでは創設者のNiels Hartviq氏が、2011年夏にリリース予定のバージョン5に実装される自動スケーリング機能を披露した。

これは、主催イベントの開催や新製品発表のようにトラフィックの急増が予想される期間に、予算の範囲に収まる自動スケーリングの設定を可能にする。例えば2011年6月にCodeGardenというUmbraco開発者カンファレンスが開催されるが、その期間中に同カンファレンスのサイトのトラフィックは通常の10倍に跳ね上がる。そこで管理者ページでCodeGardenのスケールユニットを「14倍」に設定したトラフィックイベントを作成しておく。期間中、Umracoは継続的にトラフィックおよびレンダリング速度を監視し、Azure REST APIを用いて、設定したスケール幅の範囲で必要に応じてインスタンスを増減させる。

Umbracoの創設者でありCEOのNiels Hartviq氏

トラフィックイベントを作成。通常は1×のスケールユニットを、CodeGarden期間中は14×に