ネイバージャパンは11月11日、「NAVERまとめ」において、まとめページ作成者が広告報酬を得られるインセンティブプログラムを開始した。

NAVERまとめは、特定のテーマの下にWeb上の情報を集約するページを作成し、それを公開できるサービス。ネイバージャパンでは"1億総キュレーター化"をテーマに、同サービスの利便性を向上させるさまざまな施策を展開。10月15日にはサイトをリニューアルしてUIを改善したほか、「livedoor Blog」とのサービス連携も開始している。

今回のインセンティブプログラムは、NAVERまとめに広告枠を設け、その収益をまとめページ作成者に分配しようというもの。広告サービスにはGoogle AdSenseが用いられ、NAVERまとめの全てのページに自動で挿入される。

NAVERまとめの画面。右カラム下方に広告枠を新設

AdSenseから支払われる報酬はNAVER側で一旦プール。それを各ページのアクセス集計をもとに付与される独自ポイントに応じてまとめページ作成者に分配していく。

特徴的なのは、Google AdSenseがクリック数で報酬が決まる広告サービスであるにもかかわらず、まとめページ作成者にはアクセス数に応じて報酬が支払われる点。すなわち、広告に適したコンテンツではなく、一般ユーザーに広く受け入れられるコンテンツを作成したユーザーが多くの収益を得られることになる。

広告収入の分配方式。みんなで作成するまとめページで獲得したポイントは社会貢献活動やキュレーター支援活動に充てられる

報酬の計算式

ネイバージャパン サービス企画室 室長 島村武志氏

このような報酬分配方式を選んだ点に関してネイバージャパン サービス企画室 室長 島村武志氏は、「Google AdSenseの仕組みをそのまま活かして、広告のクリック数に応じた報酬をまとめページ作成者に支払うかたちにすれば運営側としても楽なのだが、そのためには、まとめページ作成者にGoogle AdSenseのIDを取得してもらい、NAVER上で登録するという作業が必要になる。これでは作業が煩雑で、ユーザーにとってマイナスになりかねない。NAVER側で各まとめページのクリック数を集計して、それを基に報酬額を算出するという方法も考えたが、クリック数を調べるのが大変なうえ、報酬額の算出までに時間がかかる可能性もある。であれば、NAVERまとめというサービスの性質も考えて、閲覧数に応じて報酬を分配したほうがいいのではということになった」

報酬額の計算は毎日行われる。したがって、日ごとの広告総収入(広告クリック数)やサイト全体のアクセス数によって、1ポイントあたりの料金も変わってくる。日ごとの集計という形式をとった理由については、「報酬額が早くわかったほうが、モチベーションアップにつながる」(島村氏)と説明。週締め/月締めにしてしまうと、報酬額がわかるまで時間がかかり、分析も進まないが、日ごとに集計されれば翌日に振り返って対策をとることもできるという。

なお、獲得ポイント数や金額はまとめページの管理画面に表示される。自分がこれまでにいいくら稼いだのかは、ログインすれば簡単に確認できる。また、広告が表示されるのは、過去に作成されたものも含めたすべてのページになるので、11月11日以前にまとめページを作成したユーザーは何もしていないのに勝手に広告収入が得られるというケースもあるようだ。

NAVERまとめ管理画面

ネイバージャパン 事業戦略室 室長 舛田淳氏

ネイバージャパン 事業戦略室 室長の舛田淳氏は、同サービスの意義について、「AdSenseなどの広告サービスはどのWebサイト/ブログでも利用できるものだが、そのためにはマニュアルを読んだり、申し込みを行ったり、プログラムを埋め込んだりしなければならない。この作業が面倒で導入を見送っているというユーザーは少なくないはず。それに対し、NAVERまとめであれば、何もしなくても広告が組み込まれ、勝手に報酬が得られる」と説明した。

さらに舛田氏は、「他人が作ったコンテンツを集約しているサイトなのに広告を入れて問題ないのか」という問合せもあったことを明かしたうえで、「NAVERまとめはコンテンツをコピーしているわけではなく、リンクを貼って紹介している形式で、サービスの性質としてはGoogleなどの検索サイトと同様になる。著作権を侵害しているわけではないので安心して利用してほしい」と述べ、ユーザーの不安を払拭した。

また、報酬額については、「正直、どの程度になるのかはやってみないとわからない」(舛田氏)とコメント。続けて、「サービス開始当初はそれほど期待できないかもしれないが、ユーザーの負担が増えるわけではないので、おまけでお金がもらえるかもしれない程度に考えて、Webサイトの紹介を行おうと考えているのであれば、ブログ上ではなくぜひNAVERまとめを活用してほしい」(舛田氏)と説明し、積極的な利用を呼びかけた。

なお、ネイバージャパンは、今回のAdSenseの導入と併せて12月中旬~下旬にアフィリエイト型広告プログラムを組み込むことも発表している。当初はAmazonアソシエイトが対象で、こちらは自動ではなく、まとめページ作成が表示商品を選んで埋め込むかたちになる。報酬も、通常のAmazonアソシエイトと同様、購入につながった広告を組み込んだまとめページ作成者が直接もらえる方式が採用される予定。ただし、AmazonアソシエイトのアカウントはNAVERまとめで共通のものが利用されるため、各人で登録する必要はない。